2024/12/31

2024年 面白かった本

今年もSNSで「読了。」とつぶやいた本をまとめてみました。

先に特筆したい本を挙げていきます(リンク先は版元):
まずはノンフィクションから。今年最初に読んだダースレイダー著「イル・コミュニケーション」が、いまでも強く印象に残っています。本の内容もなのですが、本書は昨年末に電子化されたものの「固定レイアウト実例)」で極めて読みにくかったので、版元のライフサイエンス出版さんにリフロー化をお願いしたところ聞き入れられて嬉しかったのです。同じ「叢書クリニック」シリーズのインベカヲリ★著「伴走者は落ち着けない」もよかったです。
6/24の「視点・論点」からの関心で読んだ田中洋子編著「エッセンシャルワーカー」では、いつもお世話になっている方々の働きぶり(働かされぶり)が社会学的アプローチから明晰に分析されていて、いかに自分に周りが見えていないかを思い知らされました。
12/20の荻上チキ・ Sessionで知った橋本麻里,山本貴光共著「図書館を建てる、図書館で暮らす」は、まさに本好きの夢を叶えた実録で夢中になって読みました。そして本の結末を読むと、やっぱり私などが逡巡したり諦めたりするのも仕方ないよな、と慰められたりもしました。

次に文学作品です。今年のノーベル文学賞を受賞したことを機に読んだハン・ガンさんの電子化されている2作品「すべての、白いものたちの」と「ギリシャ語の時間」の、とても真摯な言葉の紡ぎ方が素晴らしかったです(いずれも斎藤真理子訳)。他も電子化されたら読みたいです。
GW前の荻上チキ・ Sessionに出演されていた頭木弘樹さんの編訳によるフランツ・カフカ著「カフカ断片集」で、はじめてまともにカフカを読みました。サブタイトル「―海辺の貝殻のようにうつろで、ひと足でふみつぶされそうだ―」の意味が読後にしみじみと感じられる、面白い体験でした。同じ日のエンディングで荻上チキさんが紹介されていたアンディ・ウィアー著,小野田和子訳「プロジェクト・ヘイル・メアリー」は、この著者×訳者の過去作品(「火星の人」「アルテミス」)をとても楽しく読んでいたのに気が付いておらず、ラジオを聴いていてラッキーでした。もちろん、とても楽しかったです。
あと、昨年に本編が完結した香月美夜著「本好きの下剋上シリーズ」は、引き続き「ハンネローレの貴族院五年生1」「短編集3」「ふぁんぶっく9」そしてコミカライズが出ていて、供給があるたびに立ち返って読み直すなど相変わらず楽しんでいます。

続いてコミックスです。カドコミで12月から連載されている小板玲音著「エレナの炬火」に1話で虜になって調べたところ、2023年2月に1巻が、2024年2月に2巻が出ていて、すぐに買って読みました。カドコミではいまのところ最新の第5話まで無料で読めますが、前回の第4話あたりでただならぬストーリーであることが見えてきます。いまの連載ペースだと、2025年2月頃に3巻が出そうで、引き続きウォッチしていこうと思います。
最後に、カドコミとニコニコで4月に始まったいのうえひなこ著「ウェスタの台所」が世界グルメとSFとラブコメを上手にミックスしていて楽しいです。12/26に2巻が出たところで、これからの展開が楽しみです。
以下が全リストです(読んだ順、リンク先は感想つぶやき):
ダースレイダー著「イル・コミュニケーション 余命5年のラッパーが病気を哲学する
齊藤新三著,山田祥寛監修「Androidアプリ開発の教科書 第3版 Kotlin対応
劉慈欣著,大森望,古市雅子共訳「白亜紀往事
山本直輝著「スーフィズムとは何か イスラーム神秘主義の修行道
朱喜哲著「100分de名著 ローティ『偶然性・アイロニー・連帯』
中田考著「イスラームから見た西洋哲学
長谷部愛著「天気でよみとく名画〜フェルメールのち浮世絵、ときどきマンガ〜
周司あきら,高井ゆと里共著「トランスジェンダー入門
石田夏穂著「黄金比の縁
馬場康誌著「ライドンキング(12)
のの原兎太著「生き残り錬金術師は街で静かに暮らしたい(web版)
池崎数也著「世知辛異世界転生記(web版)
中江有里著「水の月
立木康介著「100分de名著 フロイト『夢判断』
アンドリュー・スチュワート著,小林啓倫訳「情報セキュリティの敗北史〜脆弱性はどこから来たのか
東映(株)監修「王様戦隊キングオージャー バーチャルプロダクションガイド
ラテン語さん著「世界はラテン語でできている
日野行介著「情報公開が社会を変える〜調査報道記者の公文書道
いとうみゆき著「車のおうちで旅をする
米澤穂信著「冬期限定ボンボンショコラ事件
円満字二郎著「難読漢字の奥義書
小黒康正著「100分de名著 トーマス・マン『魔の山』
勝木光著,香月美夜原作「【まんが】本好きの下剋上4-8
岡真理著「ガザとは何か~パレスチナを知るための緊急講義
熊谷雄太著,スヴェトラーナアレクシエーヴィチ原作「チェルノブイリの祈り1
村上春樹著「TVピープル
畑中章宏著「100分de名著 宮本常一『忘れられた日本人』
宮田和樹,馬場千枝,萬谷ひとみ共著「アクセシブルブック はじめのいっぽ
石田夏穂著「我が友、スミス
村中直人著「ニューロダイバーシティの教科書
フランツ・カフカ著,頭木弘樹編訳「カフカ断片集
吉田千亜著「孤塁 双葉郡消防士たちの3・11
雨宮ひかる著「ゆるワニ ビビ 〜くちのとじかた、おしえてください〜
福田雄介文・関俊一絵「イリエワニ
図書館振興財団編「『図書館の学校』(2024年春号)特集:読書バリアフリー法について考える
熊谷雄太著,スヴェトラーナアレクシエーヴィチ原作「チェルノブイリの祈り2
鈴華著,香月美夜原作「【まんが】本好きの下剋上2-11
餅月望著「ティアムーン帝国物語短編集
沙嶋カタナ漫画,ポール・ギャリコ原作「猫語の教科書
五味太郎著「ならんでいる
田中洋子編「エッセンシャルワーカー 社会に不可欠な仕事なのに、なぜ安く使われるのか
平出和也著「What's Next? 終わりなき未踏への挑戦
馬場康誌著「ライドンキング(13)
酒井啓子著「〈中東〉の考え方
香月美夜著「ハンネローレの貴族院五年生 1
アレクシエーヴィチ原作,小梅けいと著「戦争は女の顔をしていない 5
波野涼著,香月美夜原作「【まんが】本好きの下剋上3-8
アンディ・ウィアー著,小野田和子訳「プロジェクト・ヘイル・メアリー 上下
安田謙一著「神戸、書いてどうなるのか
マリーナ・オフシャンニコワ著,武隈喜一・片岡静訳「2022年のモスクワで、反戦を訴える
piro piro piccolo著「意外と知らない鳥の生活
安田登著「100分de名著 ウェイリー版『源氏物語』
いのうえひなこ著「ウェスタの台所 ‐忘れたぼくの世界ごはん‐ (1)
長嶋有著「僕たちの保存
インベカヲリ★著「伴走者は落ち着けない ─精神科医斎藤学と治っても通いたい患者たち─
マーサ・ウェルズ著,中原尚哉訳「システム・クラッシュ
あれっくす著「私の魔法の先生は魔法が使えない -第二幕-(1)
松浦晋也著「日本の宇宙開発最前線
ハン・ガン著,斎藤真理子訳「すべての、白いものたちの
香月美夜,椎名優,鈴華,波野涼,勝木光共著「本好きの下剋上 ふぁんぶっく9
蒼井美紗著「図書館の天才少女 ~本好きの新人官吏は膨大な知識で国を救います!~ 1,2
泡坂妻夫著「煙の殺意
冬原パトラ著「異世界はスマートフォンとともに。(web版)
フランツ・カフカ著,頭木弘樹編「決定版カフカ短編集
島袋全優著「腸はなくとも食欲はある! 1
星見うさぎ著「婚約者様には運命のヒロインが現れますが、暫定婚約ライフを満喫します!~あなたの呪い、嫌われ悪女の私が解いちゃダメですか?~(web版)
RAハインライン著,森下弓子訳「ルナ・ゲートの彼方
安田陽著「再生可能エネルギー技術政策論 日本特有の問題点の整理と課題・解決法
仲村ひなと著,石之宮カント原作「【マンガ】始まりの魔法使い 2
青柳碧人著「浜村渚の計算ノート 11さつめ エッシャーランドでだまし絵を
小板玲音著「エレナの炬火 1,2
香月美夜著「本好きの下剋上 短編集3
勝木光著,香月美夜原作「【まんが】本好きの下剋上4-9
ハン・ガン著,斎藤真理子訳「ギリシャ語の時間
橋本麻里,山本貴光共著「図書館を建てる、図書館で暮らす 〜本のための家づくり
いのうえひなこ著「ウェスタの台所 ―忘れたぼくの世界ごはん―(2)

以上79冊でした(web版は1作を1冊とカウント)。あらためて振り返ると印象的な本が多い年でした。なお、取り立てて共有するまでもないと感じた場合はつぶやいておらず、実際に手に取ったのは上記+18冊(計97冊)ぐらいで、今年もぜんぶ読み切りました。もうちょっとで100冊でしたが、数は追いません。
来年もいい本と出会えますように。

なお、リストアップはnotestockの日毎表示から自作のPythonスクリプトで行いました。

それでは皆様、よいお年をお迎えください。

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備忘: 2023年, 2022年, 2021年, 2020年

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2023/12/31

2023年 面白かった本

今年もSNSで「読了。」とつぶやいた本をまとめてみました。

先に特筆したい本を挙げていきます(リンク先は版元):
私にとって今年最大のエポックは香月美夜著「本好きの下剋上 〜司書になるためには手段を選んでいられません〜」小説版が完結したことです(コミカライズは絶賛継続中)。小説家になろうでのweb版連載開始から足かけ10年(連載期間は4年半)、数々の加筆修正と椎名優さんによる見事なイラストを加えた書籍版の刊行開始から足かけ8年を経てフィナーレを迎えました。私自身は6年弱のお付き合いですが、素晴らしい作品を生み出してくださった香月美夜先生と、シリーズ累計1000万部を突破するほどに育てたTOブックスさんにあらためて最大の感謝を捧げます🙇‍♂️ 続編・短編集そしてアニメ4期(第三部)も楽しみです🙌

現実世界に目を向けると、紛争の激化における心理戦的な要素、特に分断の深まりを感じます。昨年からのロシアによるウクライナ侵略や、今年のイスラエルによるガザへの過剰防衛でそれが目立ちます。この状況について安全保障の観点で書かれた本や記事は多かったのですが、それらと一線を画した一冊が大治朋子著『人を動かすナラティブ なぜ、あの「語り」に惑わされるのか』でした。紛争や差別などを取材してきたジャーナリストである著者の関心をとことん深掘りし、認知科学や脳科学からナラティブの意味と価値を探るとともに、現実世界において政治・軍事・医療・教育などにナラティブがどのように位置付けられ利用・活用・悪用されているか丁寧に分析して分かりやすく書かれており、その内容と力量に感嘆しました。個人的には今年最高のノンフィクションでした。

また、2023年10月21日にプラネタリウムが100周年を迎えたということで、こちらの記事でも触れた本に出会えました。ひとつは五藤光学研究所編「プラネタリウムの疑問50」、もうひとつは井上毅著「星空をつくる機械 プラネタリウム100年史」です。いずれも私が幼い頃から親しんできたプラネを魅力たっぷりに語っていて面白かったです。関連して読んだ織田作之助著「わが町」(このリンク先は青空文庫)も面白かった。

あとはマンガを2つ。ひとつは著者ご自身の潰瘍性大腸炎および合併症との壮絶な戦いを描いたギャグエッセイである島袋全優著「腸よ鼻よ」です。たまたまニコニコ漫画で見かけた作品ロゴの鼻カニューレに親近感をもって読み始め、未完の怪作になる危険を幾度となく感じつつGANMA!(ガンマ)のアプリで読んでいましたが、見事に大団円を迎えました(もう安心して読めますよ)。もうひとつは、あれっくす著「私の魔法の先生は魔法が使えない」です。これもニコニコ漫画で見かけた「ゆるふわ」なファンタジーだったのですが、次第に電子工学のディープなネタを交えてきて前のめりに読むようになり、今では先行して1話ずつ掲載され作者とダイレクトに繋がるpixivFANBOXをフォローしています。最近は特許を中心に取り上げていて、一段と面白くなってきました。
以下が全リストです(読んだ順、リンク先は感想つぶやき):
藤本ひとみ著「鑑定医シャルル 1-3
鴉ぴえろ著「転生王女と天才令嬢の魔法革命 Web版
北條民雄著「いのちの初夜
牧野淳一郎著「原発事故と科学的方法
島袋全優著「脱・陰キャで事故プロデュース
渡辺賢治著『漢方医学「同病異治」の哲学
アルベルト・アンジェラ著,関口英子訳「古代ローマ人の24時間
島袋全優著「腸よ鼻よ8
アンデルヨン著「絹の糸とかぎ針で編む 四季の草花アクセサリー

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荒木あかね著「此の世の果ての殺人
馬場康誌著「ライドンキング(10)
maki,菊水電子著「俺の後輩が可愛いのはたぶん何かの間違いだ マンガでわかる直流安定化電源 入門編
アレクシエーヴィチ原作,小梅けいと著「戦争は女の顔をしていない 4
バルザック著,中村佳子訳「ゴリオ爺さん
香月美夜著「本好きの下剋上 第五部11
斎藤幸平著『100分de名著「精神現象学」
大塚健太作,出口かずみ絵,鈴木俊貴監修「にんじゃ シジュウカラのすけ
勝木光著,香月美夜原作「【まんが】本好きの下剋上4-6
中井久夫著「最終講義
リン・トラス著,玉木亨訳「図書館司書と不死の猫
鈴華著,香月美夜原作「【まんが】本好きの下剋上2-9
篠田謙一著『人類の起源 古代DNAが語るホモ・サピエンスの「大いなる旅」
松本清張著「砂の器(上下)
鈴木エイト著「自民党の統一教会汚染2 山上徹也からの伝言
新田次郎著「氷原・非情のブリザード
井上正幸著「これまでになかったラグビー防御戦術の教科書
日野行介著「原発再稼働 葬られた過酷事故の教訓
坂本龍一著「ぼくはあと何回、満月を見るだろう
竹岡葉月,おかざきおか著「おいしいベランダ。 亜潟家のアラカルト
大治朋子著『人を動かすナラティブ なぜ、あの「語り」に惑わされるのか
大江健三郎著「ヒロシマ・ノート
鷲田清一,山極寿一著「都市と野生の思考
小野寺拓也,田野大輔共著『検証 ナチスは「良いこと」もしたのか?
米澤穂信著「可燃物
市川沙央著「ハンチバック
後藤光学研究所編「プラネタリウムの疑問50
スティーヴンWホーキング著,佐藤勝彦監修,塩原通緒訳「ホーキング、ブラックホールを語る BBCリース講義
島袋全優著「腸よ鼻よ 9
デイヴィッド・パトリカラコス著,江口泰子訳,安田純平解説「140字の戦争 SNSが戦場を変えた
山極寿一,鈴木俊貴共著「動物たちは何をしゃべっているのか?
トマ・ピケティ著,村井章子訳「自然、文化、そして不平等 -- 国際比較と歴史の視点から
月星光博著「知っててよかった! 歯のけが 口のけが
アイリーンMペパーバーグ著,佐柳信男訳,鈴木俊貴解説「アレックスと私
井上正幸著「もっともわかりやすいラグビー戦術入門ガイド
竹岡葉月,おかざきおか著「おいしいベランダ。 亜潟家のポートレート
波野涼著,香月美夜原作「【まんが】本好きの下剋上3-7
あれっくす著「私の魔法の先生は魔法が使えない
島袋全優著「腸よ鼻よ 10
廣野由美子著『100分de名著「シャーロック・ホームズ スペシャル」
黒川祐次著「物語 ウクライナの歴史 ヨーロッパ最後の大国
朝日新聞政治部著「鵺の政権 ドキュメント岸田官邸620日
小野昌弘著『免疫学者が語る パンデミックの「終わり」と、これからの世界
尾身茂著「1100日間の葛藤 新型コロナ・パンデミック、専門家たちの記録
香月美夜,鈴華,波野涼,勝木光共著「本好きの下剋上 ふぁんぶっく8
よしもとばなな著「すばらしい日々
井上毅著「星空をつくる機械 プラネタリウム100年史
勝木光著,香月美夜原作「【まんが】本好きの下剋上4-7
石川大樹,ギャル電,藤原麻里菜共著「雑に作る 電子工作で好きなものを作る近道集
織田作之助著「わが町
編集部編「このライトノベルがすごい!2024
笹尾俊明著「循環経済入門 廃棄物から考える新しい経済
渡部泰明著『100分de名著「古今和歌集」
平田オリザ著『100分de名著「中江兆民 三酔人経綸問答」
香月美夜著「本好きの下剋上 第五部12
鈴華著,香月美夜原作「【まんが】本好きの下剋上2−10
中江兆民著,鶴ヶ谷真一訳,山田博雄解説「三酔人経綸問答

以上68冊です(web版は1作を1冊とカウント)。今年はフランスでのラグビーワールドカップ・RWC2023🏉で9〜10月と生活リズムが狂いまくりだった割に減りませんでした。物語が少なめだったのは世相に引っぱられたかも知れません。なお、取り立てて共有するまでもないと感じた場合はつぶやいておらず、実際に手に取ったのは上記+23冊(計91冊)ぐらいですが、今年もぜんぶ読み切りました。
来年もいい本と出会えますように。

なお、リストアップにはTwilogおよびnotestockと、自作のPythonスクリプトを組み合わせて使っています。notestockの一括検索は多少の漏れがあるのとBeautifulSoupでスクレイピングできなかったのとで、日毎表示から抽出しました。また、情報整理アプリをEvernoteからUpNoteへ移行したことで溜め込んでいたノートが一気に整理でき、読書管理しやすくなりました。

それでは皆様、よいお年をお迎えください。

パドラッパ from MacBook Air (2017)

備忘: 2022年, 2021年, 2020年

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2022/12/31

2022年 面白かった本

今年も「読了。」と呟いた本をまとめてみました。いま思い返しても面白かった(読んでよかったと思える)本ばかりです。

先に特筆したい本を挙げると(読んだ順、リンク先は版元):
2021best
関なおみ著『保健所の「コロナ戦記」TOKYO2020-2021』…ふだんは食中毒などでしか見かけないのにコロナ禍で良くも悪くも注目された保健所で実際に起こっていること。平時を前提とした組織の緊急対応がいかに困難であるか、身につまされる。
髙橋博史著「破綻の戦略:私のアフガニスタン現代史」…昨年夏のアメリカ撤退と同時にタリバンが復権したアフガニスタンがどういうところなのかを、現地に深くコミットしてきた方が率直に書かれたもの。ジャーナリストや研究者とは一味違う書きぶりが面白い。
小坂康之,林公代共著「さばの缶づめ、宇宙へいく」…福井の高校生が宇宙サバ缶を作ったというニュースの中身を追っていくと、テクニカルな課題解決どころか社会問題への取り組みが前面に出てきて感動的でした。
アラーアルジャリールwithダイアナダーク著,大塚敦子訳「シリアで猫を救う」…内戦下での市民の生活と地べたの目線そしてSNSでの繋がりが、戦争被害にあったネコのサンクチュアリに結びつくという思いもよらない展開に目が離せない。読了後、彼らのtwitterは追っています。
鈴木エイト著「自民党の統一教会汚染 追跡3000日」…参院選終盤における安倍元首相暗殺事件を契機に掘り起こされた旧統一教会問題を、地道に追ってきたドキュメンタリー。私の学生時代にも原理研は細々とありましたが、その後こんなにも権力に庇護されて蔓延っていたことに驚きました。
井上正幸著「これまでになかった ラグビー戦術の教科書」…2019年W杯やリーグワンで数十年ぶりにじっくり観ているラグビーが1980年代とは様変わりしていることを感じつつ専門的な見方が分からなかったところ、本書で整理されて、いっそう観戦が面白くなりました。
諸橋憲一郎著『オスとは何で、メスとは何か? 「性スペクトラム」という最前線』…世の中的にはLGBTQ+の話題を巡る論争があり、個人的にも還暦を迎えて体質の変化が顕著になってきたところ、本書に示されている最新の生物学的観点は様々に腑に落ちるところがあって面白かったです。
中田考著「宗教地政学から読み解くロシア原論」…2月からロシアがウクライナへ侵攻していることについて、軍事的・人道的・経済的な言説、あるいはナショナリズムや為政者の耄碌など様々な言説が飛び交っているものの、何がどうなってこういう状況になっているのかが掴みきれずにいる。そこに対して、東西キリスト教会分裂から1000年のカトリックと正教の活断層という補助線を入れることで見えやすくなるものがありました。
ほかにも挙げだすとキリが無いので、とりあえずこの辺りで…

なお香月美夜著「本好きの下剋上」シリーズは別格です。今年は本編3冊、短編集1冊、ふぁんぶっく1冊、コミックス5冊の計10冊を発売日に読みました。4月からのアニメ第3期も面白かったですし、「このライトノベルがすごい!2023」(宝島社刊)単行本・ノベルズ部門第1位!殿堂入り!(2022.11.26のお知らせ)もめでたい限りです。本編は、いよいよ来年末に結末を迎えます。web連載から大いに加筆されるということで、とても楽しみです。

以下が全リストです(読んだ順、リンク先は感想ツイート):
マーサ・ウェルズ著,中原尚哉訳「マーダーボット・ダイアリー 上下
斎藤幸平著『人新世の「資本論」
マーサ・ウェルズ著,中原尚哉訳「ネットワーク・エフェクト
髙木佐保著「知りたい!ネコごころ
広瀬友紀著「ちいさい言語学者の冒険 - 子どもに学ぶことばの秘密
関なおみ著『保健所の「コロナ戦記」TOKYO2020-2021
医学通信社刊「月刊保険診療2022年1月号 特集/730日の“失敗”のメカニズム
岸見一郎著「アドラー心理学入門
ジョージ・オーウェル著,田内志文訳,内田樹解説「1984
谷口真由美著「おっさんの掟
今村翔吾著「塞王の楯
佐藤俊哉著,佐藤恵子絵「宇宙怪人しまりす医療統計を学ぶ
平畑光一著「新型コロナ後遺症 完全対策マニュアル
鴨長明著,蜂飼耳訳注「方丈記
小泉悠著「現代ロシアの軍事戦略
香月美夜著「本好きの下剋上 短編集2
高野文子・山田尚子共著『わたしたちが描いたアニメーション「平家物語」
川端康成著「伊豆の踊子
小梅けいと著「戦争は女の顔をしていない3
マイクル・クライトン著,浅倉久志訳「アンドロメダ病原体〔新装版〕
片岡義男著「西テキサスの小さな町
CONTINUE MOTION GRAPHIC Vol.76「平家物語 特集号
髙橋博史著「破綻の戦略:私のアフガニスタン現代史
香月美夜著「本好きの下剋上 5-8
鈴華著『【マンガ】本好きの下剋上 第二部 「本のためなら巫女になる!7」
福田ますみ著「暗殺国家ロシア―消されたジャーナリストを追う―
飯塚恵子著「ドキュメント誘導工作 情報操作の巧妙な罠
安斎育郎著「だます心 だまされる心
小坂康之,林公代共著「さばの缶づめ、宇宙へいく
川原泉x福田素子「デジタル原始人☆川原泉
勝木光著「【マンガ】本好きの下剋上 第四部 貴族院の図書館を救いたい!4
ブラウニング著,谷喬夫訳「増補 普通の人びと──ホロコーストと第101警察予備大隊
うおやま著「ヤンキー君と白杖ガール8(最終巻)
黒井文太郎著「プーチンの正体
小川さやか著『「その日暮らし」の人類学~もう一つの資本主義経済~
山本芳久著「NHK100分de名著 アリストテレス『ニコマコス倫理学』
小泉悠「ロシア点描
岡部芳彦著「本当のウクライナ
武田友宏編「太平記 ビギナーズ・クラシックス
千々和泰明著「戦争はいかに終結したか
安田登編「100分de名著『太平記』
香月美夜著「本好きの下剋上 5-9
さわむらリョウ著「しゃしゃごもり 1
中条省平編「100分de名著 アルベール・カミュ『ペスト』
アラーアルジャリールwithダイアナダーク著,大塚敦子訳「シリアで猫を救う
山﨑圭一著「一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書
サン=テグジュペリ著,鈴木雅生訳「戦う操縦士
鈴木一人,小泉悠,鶴岡路人,森聡,川島真,宇山智彦,池内恵共著「ウクライナ戦争と世界のゆくえ
岩船晶著,戸部淑絵「ポーション、わが身を助ける8
鈴木エイト著「自民党の統一教会汚染 追跡3000日
菊池真理子著『「神様」のいる家で育ちました〜宗教2世な私たち〜
片岡義男著「豆大福と珈琲
由唯著「虫かぶり姫
郡司芽久著「キリンのひづめ、ヒトの指 比べてわかる生き物の進化
武田砂鉄編「100分de名著 ル・ボン『群衆心理』
井上正幸著「これまでになかった ラグビー戦術の教科書
香月美夜著「本好きの下剋上ふぁんぶっく7
勝木光著「【マンガ】本好きの下剋上 第四部 貴族院の図書館を救いたい!5
諸橋憲一郎著『オスとは何で、メスとは何か? 「性スペクトラム」という最前線
尾松亮著「廃炉とは何か もう一つの核廃絶に向けて
斎藤環編「100分de名著 中井久夫スペシャル
鈴華著「【マンガ】本好きの下剋上 第二部 本のためなら巫女になる!8
香月美夜著「本好きの下剋上 5-10
福田充著「リスクコミュニケーション
今井宏平著「トルコ現代史 オスマン帝国崩壊からエルドアンの時代まで
中田考著「宗教地政学から読み解くロシア原論
以上66冊です。去年組んだBeautiful Soupのスクリプトを使って、一瞬でリストアップできました。

ふと気付くと、今年はハヤカワ率がとても低かった(1冊!?)。どうにも収まらないコロナ禍、ロシアによるウクライナ侵攻、安倍元首相暗殺〜統一教会問題など、現実が仮想を超える事象が多かったせいかも知れません。
実際に読んだのは上記+12冊ぐらいで、今年もぜんぶ読み切りました。来年もいい本と出会えますように。

それでは皆様、よいお年をお迎えください。

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2021/12/31

2021年 面白かった本

今年「読了。」と呟いた本をまとめてみました。いま思い返しても面白かった(読んでよかったと思える)本ばかりです。

先に特筆したい本を挙げると(読んだ順、リンク先は版元):
2021best
添田孝史著「東電原発事故 10年で明らかになったこと」…記憶の薄れるままに責任の所在が曖昧にされがちなところ、裁判傍聴情報開示を通して執拗に追い続けている中間的なまとめ。これぞジャーナリズム。
劉慈欣著,大森望,ワンチャイ,光吉さくら,泊功訳「三体Ⅲ 死神永生 上」…シリーズ堂々完結!とにかくスケールが大きかったですね。あらためて最初から読み直し、とても楽しめました。
竹岡葉月・おかざきおか著「おいしいベランダ。10」…こちらもシリーズ堂々完結!ずっと近所のオジサン目線で見守ってきて、爽やかな涙で締めくくれたのが良かったです。個人的には東京から神戸に舞台が移った辺りで盛り上がりました。
高野秀行著「謎の独立国家ソマリランド」…少し前の本がやっと読めたもの。コロナに感染した手記で有名になってしまわれましたが(Sessionも面白かった)、この骨太のドキュメンタリーが真骨頂かと。
ペニー・ジョエルソン著,河井直子訳「秘密をもてないわたし」…脳性まひでフル介護を受けている少女の目線で語られるミステリーが新鮮。社会やAAC(拡大・代替コミュニケーション)機器の知見も広がりました。
LMモンゴメリ著,松本侑子訳・文春文庫版「赤毛のアン」…小学校の図書室で読んだ記憶は「綺麗な景色と美味しいお菓子」。いま読むと、帝国主義の拡張と共産主義の勃興で脅かされるキリスト教的価値観の抵抗。こんなにも見え方って変わるものだと驚きつつ、楽しみました。そういえば「小公女」が少し前の時代で、連続して捉えても面白いです。
作者不詳,古川日出男訳「平家物語」…まもなく放送されるアニメの底本。いま思うと源頼朝の死後に財力と権力のあるインテリが編纂して琵琶法師に流布させた語りとも考えられ、なかなか興味深いです。
昨年はハヤカワさんの独壇場でしたが、今年は結構バリエーションが出たかな。あと、ノンフィクションの「資本主義だけ残った」『消えた「四島返還」』などもすごく良かったのですが、ちょっとキリが無くなるので、この辺としました。

なお香月美夜著「本好きの下剋上」シリーズは別格です。今年は本編3冊、短編集1冊(ジュニア文庫)、ふぁんぶっく1冊、コミックス6冊の計11冊を発売日に読みました。特に勝木光先生によるコミカライズ第四部がニコニコ漫画 年間ランキング2021 公式マンガ部門ベスト10に入ってめでたい限り。また、来年4月からのアニメ第3期も楽しみです。

以下が全リストです(読んだ順、リンク先は感想ツイート):
藤野可織著「ピエタとトランジ <完全版>
犬塚則久著「恐竜の骨をよむ 古脊椎動物学の世界
アフマド・サアダーウィー著,柳谷あゆみ訳「バグダードのフランケンシュタイン
遠藤麻理ナビゲート「ラジオを止めるな!
高田大介著「図書館の魔女 1-4
茜灯里著「馬疫
トーベ・ヤンソン文・絵,冨原眞弓訳「小さなトロールと大きな洪水
トーベ・ヤンソン文・絵,下村隆一訳「新装版 ムーミン谷の彗星
宇佐見りん著「推し、燃ゆ
山中たつはる著「コロナ禍で見えてきたおかしな専門家と知識人−非科学的なコロナウイルスPCR検査抑制論
壇俊光著「Winny 天才プログラマー金子勇との7年半
添田孝史著「東電原発事故 10年で明らかになったこと
桜木武史,武田一義著「シリアの戦争で、友だちが死んだ
安田陽著「世界の再生可能エネルギーと電力システム 電力市場編
今尾恵介著「地図帳の深読み
川端裕人著『「色のふしぎ」と不思議な社会─2020年代の「色覚」原論
クリフ・クアン,ロバート・ファブリカント共著,尼丁千津子訳『「ユーザーフレンドリー」全史
バーネット著,杉田七重訳「小公女セーラ
岩船晶著,戸部淑絵「ポーション、わが身を助ける 1-7
マイケルサンデル著,鬼澤忍訳,本田由紀解説「実力も運のうち 能力主義は正義か?
千春著「めぐる。
佐藤圭一,冨田武照共著「寝てもサメても 深層サメ学
劉慈欣著,大森望,ワンチャイ,光吉さくら,泊功訳「三体Ⅲ 死神永生 上下
米澤穂信著「黒牢城
枝野幸男著「枝野ビジョン 支え合う日本
堀辰雄著「風立ちぬ
綾屋紗月,熊谷晋一郎共著「つながりの作法 同じでもなく 違うでもなく
金井利之著「コロナ対策禍の国と自治体―災害行政の迷走と閉塞
竹岡葉月・おかざきおか著「おいしいベランダ。10
本間希樹著『巨大ブラックホールの謎 宇宙最大の「時空の穴」に迫る
ブランコ・ミラノヴィッチ著,西川美樹訳「資本主義だけ残った
田島木綿子著「海獣学者、クジラを解剖する。
シェルドン・テイテルバウム,エマヌエル・ロテム編「シオンズ・フィクション イスラエルSF傑作選
情報文化研究所編「情報を正しく選択するための認知バイアス事典
高野秀行著「謎の独立国家ソマリランド
福田雄介著「もしも人食いワニに噛まれたら!
辻田真佐憲著「超空気支配社会
メアリ・ロビネット・コワル著,酒井昭伸訳「火星へ 上・下
仲野徹著「考える、書く、伝える 生きぬくための科学的思考法
桜木武史著「【増補版】シリア 戦場からの声
安田陽著「世界の再生可能エネルギーと電力システム 経済・政策編
スティーブン・スローマン,フィリップ・ファーンバック共著,土方奈美訳「知ってるつもり 無知の科学
橋爪大三郎・中田考著「中国共産党帝国とウイグル
グレッグイーガン著,山岸真訳「ビット・プレイヤー
内藤正典編「『新しい戦争』とメディア
中田考著「タリバン 復権の真実
北海道新聞社編『消えた「四島返還」
ペニー・ジョエルソン著,河井直子訳「秘密をもてないわたし
福井県立図書館著・編「100万回死んだねこ 覚え違いタイトル集
伊藤亜紗著「目の見えない人は世界をどう見ているのか
長谷川眞理子著「ダーウィン 種の起源 未来へつづく進化論
銀泥著「パティシエさんとお嬢さん 1-2
LMモンゴメリ著,松本侑子訳・文春文庫版「赤毛のアン
カティ・マートン著,倉田幸信森嶋マリ訳「メルケル 世界一の宰相
作者不詳,古川日出男訳「平家物語
伊藤忠夫著「京都空襲 -8888フライト- 米軍資料から見た記録

以上、68冊と本好き11冊で、合計79冊が「面白かった本」でした。今年はBeautiful Soupでスクレイピングしたので、リストアップが一瞬でできました。
実際に読んだのは+6冊ほどです。実は正月から春にかけて立て続けに「ハズレ」を引いていたのですが、その後いい本に多く出会えて良かったです。あと、「なろう」で連載を追っている作品は多数ありますが、今年完結したのは掌編ひとつだけでした(たぶん)。あと「片岡義男 全著作電子化計画」から読んだのは数冊かな(すでに把握できない)。

それでは皆様、よいお年をお迎えください。

パドラッパ from MacBook Air (2017)

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2020/12/31

2020年 面白かった本

今年「読了。」と呟いた本をまとめてみました。いま思い返しても面白かった(読んでよかったと思える)本ばかりです。

先に特筆したい本を挙げると(読んだ順、リンク先は版元):
アンディ・ウィアー著,小野田和子訳「アルテミス 上
アレクシエーヴィチ著,三浦みどり訳「戦争は女の顔をしていない」(小梅けいと著のコミックス1, 2も素晴らしい)
リチャード・プレストン著,高見浩訳「ホット・ゾーン
劉慈欣著,大森望,立原透耶,上原かおり,泊功訳「三体II 黒暗森林 上
パク・ミンギュ著,斎藤真理子訳「ピンポン
メアリ・ロビネット・コワル著,酒井昭伸訳「宇宙【そら】へ 上
でした。「ピンポン」のみ印刷書籍で、あとは電子書籍です。
2020best
こうして見ると今年もハヤカワ分が濃く、訳本ばかりですね。

なお香月美夜著「本好きの下剋上」シリーズは別格で、ずっと&ぜんぶ面白い。もちろん「小説家になろう」で何周も読んでいますが、書籍化にあたってのリライトが丁寧で、追加のサブストーリーによる世界観の広がりも見事です。コミカライズも連載(第二部第三部第四部の3つ並行!)と書籍(電子)で楽しんでいます。アニメの第3期も楽しみ。

以下が全リストです(読んだ順、リンク先は感想ツイート):
伴名練著「なめらかな世界と、その敵
安田陽著「世界の再生可能エネルギーと電力システム 系統連系編
アンディ・ウィアー著,小野田和子訳「アルテミス 上下
カート・ヴォネガット著,浅倉久志訳「ガラパゴスの箱舟
フィリップ・K・ディック著,深町眞理子・朝倉久志・大森望訳「トータル・リコール
小梅けいと著「戦争は女の顔をしていない1
米澤穂信著「巴里マカロンの謎
コニーウィリス著,大森望訳「クロストーク
内田樹,えらいてんちょう著「しょぼい生活革命
川越宗一著「熱源
香月美夜著「本好きの下剋上 第五部 女神の化身Ⅰ
徳田雄洋著,村井宗二絵「カッコのない国
舛添要一著「ヒトラーの正体
中田考,天川まなる著「ハサン中田考のマンガでわかるイスラーム入門
アレクシエーヴィチ著,三浦みどり訳「戦争は女の顔をしていない
長谷川和夫,猪熊律子著「ボクはやっと認知症のことがわかった
岩田健太郎著「新型コロナウイルスの真実
阿部豊著「生命の星の条件を探る
新田次郎著「八甲田山死の彷徨
仲野徹著「こわいもの知らずの病理学講義
大西一成著「マスクの品格
鴨長明「方丈記
リチャード・プレストン著,高見浩訳「ホット・ゾーン
香月美夜著「本好きの下剋上 第五部 女神の化身Ⅱ
熊捕崇将著「レジ袋の環境経済・政策研究
宇沢弘文著「自動車の社会的費用
菅原孝標女著,原岡文子訳注「更級日記
劉慈欣著,大森望,立原透耶,上原かおり,泊功訳「三体II 黒暗森林 上下
加藤聖文著「満鉄全史 『国策会社』の全貌
三才ムック「ラジオマニア2020
瀬戸美月著「徹底攻略 基本情報技術者の午後対策 Python編
香月美夜著「本好きの下剋上 第五部Ⅲ
長沼伸一郎著「現代経済学の直観的方法
池田美代子著,戸部淑絵「エンマ先生の怪談帳 霊の案件で放課後は大いそがし!
香月美夜著「本好きの下剋上ふぁんぶっく5
ダウトオウル著,中田考,本田恭介,久間達也訳「文明の交差点の地政学-トルコ革新外交のグランドプラン
野島剛著「なぜ台湾は新型コロナウイルスを防げたのか
パク・ミンギュ著,斎藤真理子訳「ピンポン
香月美夜著「本好きの下剋上 第五部Ⅳ
メアリ・ロビネット・コワル著,酒井昭伸訳「宇宙【そら】へ 上下
海堂尊著「コロナ黙示録
中田考,田中真知,矢内東紀著「70歳からの世界征服
岩田健太郎著「丁寧に考える新型コロナ
郷原信郎著「『深層』カルロス・ゴーンとの対話
小梅けいと著「戦争は女の顔をしていない2
山岡淳一郎著「ドキュメント 感染症利権 - 医療を蝕む闇の構造
池田美代子著,戸部淑絵「エンマ先生の怪談帳 だれもいない卒業式
…以上50冊。ちまちまとリスト化したのですが、けっこう面倒でした。もしまたやるとしたらスクレイピングしよう…

実際に読んだ冊数は上記x1.5ぐらい。今年は一冊も途中で投げ出さなかったので、当たり年だったような気がしています。
呟かなかった本をあらためて眺めると、シリーズものの新刊(例えば「腸よ鼻よ」 「ヤンキー君と白杖ガール」 「今日どこさん行くと?」 「おいしいベランダ。」 「ライドンキング」:いずれも面白いです)、浸透している以上の感慨を持たなかった古典(たとえば「ヴェニスに死す」 「竹取物語」)、主張や表現を是認できなかった本や消化できなかった本(例示しません)、といったあたりでした。 あと、私は初期からの「片岡義男 全著作電子化計画」サポーターで生涯読み放題権を賜って、随時スマホで飲むように読んでいますが、既に管理は諦めました(笑

それでは皆様、よいお年をお迎えください。

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2009/06/06

要点がわかるベクトル解析・電磁気学

要点がわかるベクトル解析・電磁気学
新刊教科書紹介に知り合いの名前を見つけて、久しぶりに基礎の勉強をしました。
学生時代に単位は取れたけど(^^;レベルだったところ、初めてキチンと捕まえることができたような手応えあり。
さて、約10年ぶりにメールしてみよう。

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2009/01/18

大阪国際児童文学館 蔵書解題

大阪国際児童文学館 蔵書解題
昨年の存続署名取りまとめをほんの少しお手伝いさせて頂いたご縁で、この本が発行されたお知らせを頂きました。
児童文学の読者ではあっても、専門研究の世界は全く知らない私ですが、日本での色々な黎明期図書を丁寧に簡潔に纏められた内容がとても面白かったです。
一冊1200円+送料は、とてもお得(^^) 売り上げの一部は存続運動の資金にもなるそうです。

刊行された「育てる会」はWEBページを作っておられないようですが、入手方法は「蔵書解題 大阪国際児童文学館」で検索すると出てきました。もし不明でしたら、私にお問い合わせ下さい。

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2008/04/06

子供の科学の豪華付録

子供の科学の豪華付録
電子部品トランプとは、なかなかコアなターゲットの付録です。
思わず約35年ぶりに買ってしまいました(^^;

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2008/03/06

かづひさん、みっけ

かづひさん、みっけ
かづひさん、みっけ
今日は新幹線往復で一冊読み切りました。すごく良い本でした。

去年NHKのプロフェッショナルにかづひさんが主役級(^^;で出演されていて、その回を含む三話を起こしたものです。シリーズ14作目。先週末に近所の本屋さんで偶然見つけました。

かづひさんの出てくる話は三話目で、その前に京都の庭師の北山さん、大阪のクリティカルケア専門看護師の北村さんの構成があり、お二人それぞれの仕事ぶりに共感すると共に圧倒されました。

かづひさんと一緒に仕事されている渡辺さんの構成は、番組を見たためか、面白くはありましたがそれほど強烈でも無かったです。テレビで見ちゃったのが失敗か?

このシリーズ、もう一冊くらい読んでみたくなっています。

おっと京都だ

パドラッパ from WX320K

ps. amazonへのリンクをご参考に貼っておきます(アフィじゃないよ)

リンク: Amazon.co.jp: プロフェッショナル仕事の流儀 14 (14): 茂木 健一郎,NHK「プロフェッショナル」制作班: 本.

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