2024/10/04

TinkerBoard3が出たらしい

TinkerBoard2が2021年に出てから3年半、もうASUSからSBC(シングルボードコンピュータ)は出ないのかなぁと思っていたところ、昨日2024/10/03に新機種の発表がありました:
ASUS IoT、多様な垂直分野に対応するArmベースのTinker Board 3/3SシングルボードコンピューターとTinker System 3Nを発表 | ASUS JAPAN株式会社のプレスリリース
Tinker Board 3S商品ページ

この3/3SはRaspberry Pi(ラズパイ)と同じサイズのSBCで、MPUが2のRockchip RK3399からRK3566に変更されています(6コアから4コアになりピーク性能を抑える方向で、たぶん発熱も減っている)。また、同じRockchipのNPU(ニューラルネットプロセッサ)が搭載されていて、端末自体(エッジ)でAI処理しやすくなっているようです。S付きの方は従来と同じくeMMCストレージ付きで、2Sで選べた32GBは無くて16GBのみになりました。microSDスロットは、初代は触ったらバネで飛び出す危険仕様だったところ、2/2Sと同じく摘まんで抜くタイプです。あと、写真を見る感じでは2でラズパイ3までと大幅に変わっていたI/O配置が、初代&ラズパイ3までに近い配置に戻っています。但し、電源はUSB microBではなくてφ5.5/2.5mmの12-19Vです。

ユーザー認証に使えそうなエッジAI対応、性能バランス重視などはプロ向けの進化かな、という印象です。逆に言うとご家庭用のSBCとしては3の出番は無くて、初代と2の使い分けになると思います。ちなみに私は初代をおうちサーバー用、2SをLinux作業用にしています。このおうちサーバーは連続稼働6年で、microSDは何度か壊れましたが、本体は元気で、さすがはASUSの品質だと思っています(ラズパイは何度か痛い目に遭っているけれど、ASUSはマザボやタブレット等でも外したことが無い)。

ちなみに、いつも買っているPhysical Computing Labさんでは、ラズパイサイズでは無い方の3Nを早速取り扱っていますが、いまのところ3/3Sはありませんでした:
Tinker Board | Physical Computing Lab

以上、自分で使う気が無いにもかかわらず、着実な進化が嬉しくてまとめた次第。何かの参考になれば幸いです。

パドラッパ from MacBook Air (2017)

| | | コメント (0)

2024/07/07

室内外の温湿度を表示し、暑さ指数をカラーLEDで表示する端末を作りました

梅雨入りが遅かった今年の梅雨明けは平年並みになる見通しだという予報が出ていますが、既に真夏並みの暑さと日射があって、水不足にならないか心配です。水不足と言えば、生き物の身体も急速な温暖化に付いていける訳が無く、環境保全とともに熱中症対策が必要で、気象庁と環境省の発する熱中症警戒アラート等をチェックしつつ、自室環境に応じて適切な水分補給とエアコンの使用を心がけたいところです。

さて、4年ほど前に室内の暑さ指数WBGTを求められるようになり、「危険」レベルに達したらIFTTTで通知を飛ばすようにしていたところ、前に書いていた通りIFTTTのWebhooksが有料オプションに移行してしまったためIFTTTからメールに変更したのですが、メールは見落としが多いのでパッとみて分かる端末を作ってみました。
斜め前から見たところ。場所・測定時間・温度・湿度・WBGTが表示されている。
通常は室内の値が表示されていて、右上のスイッチを押すと室外の値が出ます。右下のスイッチは液晶バックライト用です。
後ろから見たところ。LEDが明るく光っている。
光っているLEDは環境省熱中症予防情報サイトの 運動に関する指針に準拠した色で点滅しています。基板は2枚重ねで、下の写真の手前左にESP32-WROOM-32Eが見えています。
回路図は次の通りです:
ESP32-WROOM-32Eを中心にしたマイコン部とAQM1602Y-FLW-FBWを中心にしたLCD部に分かれている。当初LCDのVoutに0.1uFを付け忘れていた(文字がノイズだらけになった)。
カラーLEDは制御ICにWS2811を使った PL9823-F5を、仕様外れですが、Vdd=Vio=3.3Vで使っています(中間色の色味は調整しました)。
内部処理は宅内ネットワークへの接続および宅内サーバーとの連携が主で、プライベートな情報をマスクすると訳が分からなくなると思うのでソースは公開せず、ざっくりとした流れだけを説明します。
1. 室内と室外の温湿度を10分ごとにTinkerBoardとRaspberry Piで測定したデータを、サーバーに集約する(従来からの処理)。取得データのフォーマットは次のように年・月・日・時・分・秒・温度・湿度・気圧がCSVで並んでいます。
数字の羅列、2024/07/07の午前7時前後のデータ
ここでは右側に色付きの文字でWBGT値を入れておきました。7:00に「危険」とされる31℃を示しています。
2. 最新の取得データから、場所・測定時間・危険度・温度・湿度・WBGT値を表示するwebアプリを用意する。ここで危険度とは、上記 運動に関する指針の5段階に、日本生気象学会熱中症予防研究委員会のWBGT変換表(リンク先PDFのP.3)で計算範囲外になる気温21℃以下を加えた6段階にしました。PCのChromeでページのソースを見ると次のような内容です。端末のLCDは16文字x2行で、「WBGT」までで16文字、その後の危険度は表示欄外になります:
室内と室外の、場所・測定時間・「WBGT」文字列・危険度の数値(改行)、温度・湿度・WBGT値
3. 作成した端末はMicroPythonでコーディングしました。宅内WLAN接続し、上記ページをurequests.get()したレスポンスの.text属性が上記ソースの内容なので、これを用いてLCD表示とカラーLEDのNeoPixel制御をします(危険度はLCD表示せず、カラーLEDの色と明るさを決めるのに使う)。通常は1,2行目を表示し、端末右上のスイッチを押すとアドレスを2足して3,4行目を表示します。
4. 今回の筐体はDAISOで4個110円のタッパーです(リンク先は40個売り)。フリスク用として売っている基板(ユニバーサルESP32-WROOM用)のカドや突起を落とすとちょうど入るサイズで、見た目はプアですがカッターナイフとドリルなどでサクサク工作できて便利です。また、できてから気が付いたのですがLEDの光が適当に拡散されて、いい感じになりました。

BOMは次の通りで、合計2969.5円でした。なお、電線・ハンダ・ピン・ラベル等の副材はカウントしていません:
itemdetailpricepcssubtotal
CPU moduleESP32-WROOM-32E5301530
LCDAQM1602Y-FLW-FBW7801780
RegNJM2845DL1-3350150
Color LEDPL9823-F5 (WS2811)40140
Green LEDOSG8HA3Z74A616
USB-SerialFT234X7801780
Power conn.電源用microB40140
Slide SWSS-12D00-G5520120
Push SWTCF-06210110
Push SWTVBP06-B043CW-B20240
C0.1uF25375
C1.0uF20240
C10uF50150
R1k111
R2.2k111
R10k133
VRノブ付き10k50150
case内寸約60x40x30mm27.5127.5
CPU基板ABBC-003 ※3461346
LCD基板AE-FRSK-120-UV-TH80180
なお、※のCPU基板はスイッチサイエンスさん、他は秋月電子さんで購入しました。いま思えば組み込みなのでトランシーバーのFT234Xは積まなくても良かったか。


今朝は日曜日で遅くまでゴロゴロしていたのですが(昨日ラグビーのJAPAN XVがマオリオールブラックスに初勝利し、いい気分でYouTubeを寝床で観ていました)、暑さを感じてふと見ると端末が皓々と真っ赤に光っていて、慌ててエアコンをつけました。これが午前7時で、さっそく役に立ってしまいました。
ところで最近は、熱中症警戒アラートなどの普及とともに様々な商品も出ています:
温湿度計で熱中症対策!色で警戒レベル表示 離れた部屋、不在時も確認 | 共同通信
温度・湿度アラーム | 特長 デジタルコードレス電話機 VE-GD78DL/DW | Panasonic
流石にプロは見せ方が上手いなぁと思います。精進せねば。

以上、何かの参考になれば幸いです。

パドラッパ from MacBook Air (2017)

ps. 七夕の朝七時のデータってスロットみたいだ

| | | コメント (0)

2024/06/01

30回目のHP100LX購入記念日

私がHP100LXを購入したのは1994年6月1日でした。今日でちょうど30年になります。
Lx30yrs1

いま使っているHP200LXは3代目(初代が100LX、2, 3代目が200LX)で、スケジューラAPPTをはじめとするデータを連綿と30年間積んできており、私自身が忘れていることや記憶改変していることも正しく記憶し続けてくれていて、とても助かっています。
ハード的にはクロックは2.27倍速・RAMは6MBに改造しています。但し、RAMのはんだに一部クラックが入っているようで、4MB以上の領域にアクセスするとドライブが壊れることがあり、使用量をセーブしています。筐体のABSも脆化が進んでいて、あちらこちらテープで補修しており、内部の故障・不具合へのアクセスがしづらくなってきました。ちなみに補修方法は試行錯誤の結果として、ニチバンの製本テープ(黒)で覆うように貼るのがサラッとした手触りで、支持体が丈夫で伸びず、接着剤が漏れず粘着力も強く、テカらないので目立ちにくく、現状ではベストです。
Lx30yrs2
……目立ちにくさが写真で際立ちますね。

ストレージはトランセンドの非標準(SDHCでない)4GBのSDメモリカードを使っています。当初10MBのフラッシュを使っていた頃からすると夢のような大容量と、MS-DOSベースのアプリはデータが小さいおかげで、旧いデータもそれほど消さずに済んでいます。
Lx30yrs3
ちなみに、上記の補修テープでPCMCIAカード脱着レバーが動かなくなっているのですが、SDカードアダプタがプッシュイン−プッシュアウトなので問題無く脱着でき、PCMCIAが絶滅危惧種になってしまったPC側のリーダライタも問題無く使えています(Panasonicなどの規格に厳密な製品を除く)。

思えば、1994年5月に関数電卓を壊してしまって新しいのを探して大きな文具&書店に行ったときにFMODEM携帯端末研究会著「HP 100LX徹底活用ブック」(リンク先は国立国会図書館)と巡り会ったのが始まりでした。この辺の詳細について、FHPPCの制作委員会編「I Love LX」(リンク先は版元)に一節書いたのも懐かしいです。

あと何年使えるか分かりませんが、これからも大事にしていこうと思います。

パドラッパ from MacBook Air (2017)

| | | コメント (0)

2024/04/12

Seeed XIAO nRF52840をNiMH電池で動かす一方法(その後)【2024/10/16追記】

切手サイズのBLEマイコンボードSeeed studio XIAO nRF52840 Senseを使ったセンサ端末がエネループ2本で188日=半年もった、という報告を以前しました
それからちょうど半年経って、再び電池寿命が来ました。
Senseloge
なんと、また188日で電池切れです。途中のデータでは電圧が低めに推移していたので早めに切れるかと思っていたのですが、春になり暖かくなってきてから電圧が高めにシフトしてきて、結果としてジャスト同日数になった次第です。さすがに一桁日まで同じになったのは偶然だと思いますが、電圧が気温の影響を受けたようで面白いです。

ちなみに使用しているエネループは14年前に買った今は亡き三洋電機のeneloop tones(Min.1900mAh)です。ライターの神野恵美さんに「できれば2組以上のセットで買って欲しい」と言われるまでもなく2セット買っていて、その同色2組を使っています。充電完了時の初期電圧には若干の個体差がありますが、容量バラツキは14年経っても無視できる程度のようで、凄いです。

ところで、センサの親機というかBLEからWi-Fiへの中継器にESP32-WROOM-32Eを使っていて、センサが電池切れや姿勢異常などのエラーを起こしたら親機がIFTTTに投げるようにしているのですが、これが今回の電池切れを通知してくれませんでした。どうしてこうなったのか調べていたところ、いつの間にか無料プランで使えるサービスに制限が掛かっていて、特にWebhooksがNot availableになったことが致命的でした。私の場合2024/02/12に別件で使った通知が最後だったようですが、ググると1月頃から順次使えなくなっていたようです。IFTTTのWebhooksはLinuxのシェルスクリプトからcurlできたり、ESP32のMicroPythonからでもurequests.postするだけでいいなど軽くて便利だったのですが、何か他の手を考えないといけません。

以上、何かの参考になれば幸いです。

パドラッパ from MacBook Air (2017)

【2024/10/16追記】
上記からちょうど半年経って、再び電池寿命が来ました。使用した電池は「改造後1回目」と同じものです。
Senselogf
今回は185日で電池切れ。前2回が188日でしたから2%短かったのですが、まぁ誤差でしょう。2024年の夏が酷暑だったせいだと思いますが、2023夏シーズンの「改造後1回目」よりも少し電圧が高く出ていました。

| | | コメント (0)

2024/03/21

「なろう」から取得した青空文庫形式ファイルと「読書尚友」の相性対策

ここ4年ばかり「小説家になろう」の作品を青空文庫形式に変換してオフラインで楽しんでいます。その中で、たまに変なルビが現れることがありました。
青空文庫の作業マニュアルによると「《》」タイプの山括弧で囲まれた文字をルビとし、ルビを付ける文字列の冒頭に「|」(全角縦棒)があれば「|」以後にルビを付け、「|」が無ければ「前の文節(漢字で構成される部分)」にルビを付ける、という仕様になっています。
青空文庫のルビ仕様抜粋
読書尚友」のルビ表示は少しクセがあり、ルビを付ける文字列が独自の区切りになっているようで、さらに「《》」に囲まれているのが何文字でもルビだとみなします。
一方、「小説家になろう」では「《》」についてのルールは無く、作家さんが山括弧として自由に使うことができます。ただ、多くの作家さんは山括弧に(「かっこ」や、キーボードの不等号マーク「<>」で容易に変換できる)「≪≫」を使っておられて、「《》」は稀に出てくる程度のようです。例えば長編の「本好きの下剋上」で「《》」は2カ所だけですし(1つ目はここ、表示例は末尾)、他でもいくつかの小説で数カ所たまたま出てくる程度でした。

ところが最近読み始めた、のの原兎太著「生き残り錬金術師は街で静かに暮らしたい」では冒頭から「《》」を山括弧として多用されていました。「小説家になろう」上での表示例が次なのですが:
「なろう」のキャプチャ
narou2az.pyで取得したテキストファイルが次のようになり:
従来の変換例、《》はそのまま
これを「読書尚友」で読むと、前の行の末尾あたりを「前の文節」とみなしてルビになります:
読書尚友でルビが化けている
これまで「たまに」化けていたときは、作者さんの狙った字面とはたぶん違うと思いつつ、「《》」をエディタで「≪≫」へ置換していました:
エディタで≪≫へ変換した例
すると「読書尚友」上でも縦書き山括弧として、比較的近い形で読めます:
読書尚友による≪≫の縦表示

文中のルビが少ない作品であれば、取得したテキストファイルの「《》」を「≪≫」に全置換してしまえばいいのですが、「生き残り錬金術師は街で静かに暮らしたい」は文中のルビも多く、正しくルビ表示されているところとルビのように文字化けしているところが大いに混在し、ちょっと困ったことになりました。(最も極端な例:「《回復(ヒール)》」)

そこで、「読書尚友」で読みたい場合用にスクリプトを改造しました。他のアプリでは問題無いかも知れませんし、作者さんの思う字面とも違うでしょうから、別スクリプトに分けることにします。

改造したスクリプトはGitHubのnarou2azリポジトリに「narou2az_d.py」という名前で置いておきました。使い方は従来と同じです。
また、一緒に2つのスクリプトを追加で置いてあります。
1. ruby_chk.py …… ルビでない「《》」があるかチェックし、あった場合はその行番号と行の内容を表示します。
 使い方: ruby_chk.py target
2. ruby_conv.py …… いったん「《》」を「≪≫」に全置換し、ルビ開始文字「|」がある場合のみ「《》」にして、ファイル出力します。
 使い方: ruby_conv.py input output

以上、何かの参考になれば幸いです。

パドラッパ from MacBook Air (2017)

おまけ:
「本好きの下剋上」でのルビ化け例:
3行にもわたるルビ

| | | コメント (0)

2024/01/28

秋月電子の「お気に入り」をリスト化するスクリプト

2024年1月26日に、いつもお世話になっている秋月電子通商さんの通販サイトがリニューアルされました。リニューアル内容は窓の杜の記事に詳しく、ざっと回った限り見やすくなっていて歓迎です。
ただ、上記の記事にもあるように若干不便になったと感じるところもあり、私の場合その最たる物が「マイページ > お気に入り」です。従来は全件が1ページにまとまっていて、ブラウザのページ内検索で簡単に内容へアクセスできていたのですが、リニューアル後は20件ごとに分割されていて、何度も左右ボタンをクリックして探しているうちに何を見たかったのか忘れてしまうという体たらく(半分ぐらい私が悪い)。URLのクエリパラメータに「ps=」を入れると1ページ50件までは拡張できますが、私の場合は259件あって、6ページよりも減らすことができません。

そこで、スクレイピングしてリストを作ることを考えました。
ページのソースを見ると、細かくブロック分けされclassも適当に付いているのでBeautiful Soup向きです(?)。ログインしないと「お気に入り」の内容は見えないので少しどうしようかと考えて、そもそも内容のコントロールは自分で行うところですから自動ログインして取得する必要は無いと見て、ローカルにhtmlファイルで保存しておき、ローカルファイルからスクレイピングすることにしました。
スクリプトはGitHubにリポジトリを作って公開しています
では使い方です。
0. Python3beautifulsoup4が必要です。それぞれ公式のインストール手順に従って下さい。web上にチュートリアルはたくさんあります。
1. 自分のお気に入りページを開きます。ここでURLの末尾に「?ps=50」と入れると表示が50件になります。(左記リンクで開けば入ります。)
2. ローカルにhtml形式で保存します。Chromeだと「ファイル > ページを別名で保存…」で、形式を「ウェブページ、HTMLのみ」として、ファイル名を「01.html」として下さい。スクリプトでは「【2ケタの数字】.html」しか受け付けません。Macの場合ショートカットは「⌘s」。
Afl01
3. 「→」を押して2ページ目を表示し、ファイル名を「02.html」として保存。これを最後のページまで繰り返します。
4. Pythonスクリプト「akizuki_fav_list.py」と同じフォルダにダウンロードしたhtmlファイルをおいて下さい。
5. Pythonスクリプトを実行すると、同じフォルダに「fav.tsv」というタブ区切りテキストファイルが出力されます。これを表計算ソフトで開くと次のような内容になっています:
Afl02
Pythonスクリプトに引数はありません。実行方法はOSをはじめ実行環境によります。Macの場合はターミナルを開いて当該フォルダで「python3 akizuki_fav_list.py」と入力します。

なお、出力ファイルを.tsvにしたのは品名やメモにカンマが入る場合があると思ったからです。抽出している内容は「品名, 販売単位, 販売価格, 税抜価格, メモ, リンク」で、増減したければスクリプトを変更して下さい。

以上、何かの参考になれば幸いです。

パドラッパ from MacBook Air (2017)

| | | コメント (0)

2023/12/23

MacBook Air(2017)のSSDを換装しました【2023/12/26追記】

かれこれ6年ほど2017年モデル128GBの13インチMacBook Airを使っています。私の使い方では今でもパフォーマンスは十分なのですが、ストレージが慢性的に不足していて、できるだけNASに逃がすなどの運用で凌いできました。しかしEvernoteから移行したUpNoteのデータをローカルに置くことで約1GB占有されるなどして、いよいよ厳しくなってきました。幸いに、このモデルはSSD交換が容易とされる世代なので、こちらの記事こちらのブログなどを参考にして500GBに増量しました。
Mba_ssd01
使用したキオクシアのSSD変換アダプタ(リンク先はAmazon、アフィじゃありません)

作業自体は
・TimeMachineでバックアップを取る(3時間)
・トルクス5ドライバーで解体・換装する(30分)
・macOSのインストール(20分)

・TimeMachineから復元する(約1時間)

の4ステップと、簡単なものでした(復元は買い物中に終わっていたので正確な時間は不明)。費用は5670円、SSDも安くなったものです。

換装前後の容量とベンチマークです。
Mba_ssd02
空き容量が増えて一安心。また、書き込み速度がとても速くなりました。なお、古いMacBook Airなのでインターフェースが律速になっています。

前に使っていたMacBook Air(2011)のSSDと、今回摘出したMacBook Air(2017)の比較です。
Mba_ssd03
どちらもSamsungで同容量なのにサイズが見事に違います。2017年当時のMacBook Airは最大512GBで、いまだと同サイズのSSDで4TBも珍しくなくなってきましたから、メモリ技術の進歩はすごいなぁとあらためて感じました。

空き容量が増えたのでmacOSを最終サポートのMonterey(12.7)にアップデートしようかなと思ったのですが、12.3でPythonが削除されているということで、TimeMachineが高速化されているBig Surにしておこうかと思っています。

以上、何かの参考になれば幸いです。

パドラッパ from MacBook Air (2017)

続きを読む "MacBook Air(2017)のSSDを換装しました【2023/12/26追記】"

| | | コメント (0)

2023/12/02

EvernoteからUpNote、追補【随時更新】

昨日EvernoteからUpNoteへ引っ越した顛末を書きました。その後に気付いたことを随時記していきます。

【2023/12/02 07:33】
・UpNoteのインポートメニューがMac版とAndroid版にはありませんでした。Windows版では設定>一般の下の方にあります。
・UpNoteも使えなくなった時のことを考えて、エクスポートを確認しました。ノートブック単位または全ノート一気に、Markdownファイルやhtmlファイルやテキストファイル、さらにはPDFへとエクスポートできるようです。いま個別(Evernoteでいう複数)でMarkdownへエクスポート(追加データを含む)したところ、更新日の日付で.mdファイルがダダダッとできました。Evernoteよりも相当速いです。できた.mdファイルはChromeのMarkdownビューワなどで見られます(参考)。
エクスポート画面
(この画面はMac版ですが、作業はWindowsでやりました。)
これでもうEvernoteのデータは消せます。

【2023/12/02 08:13】
・上記でMarkdownとhtmlがごっちゃになっていました、すみません。Markdown(.md)でした。
・その後、個別htmlおよび単一htmlおよび単一mdも作ってみました。Evernoteで苦労していたのが嘘のように、ほんの数分でエクスポートできてしまいましたとさ。めでたしめでたし。

【2023/12/02 11:45】
・Evernoteの不要ノートを削除するのにも時間が掛かりました。基本的にノートブックを削除していけばいいのですが、一気に消してゴミ箱を空にしようとしたらエラーが出ます。ノート移動の内部処理が追いついていないのかな、と思って時間を置いたらできました。また、「規定のノートブック」になっているノートブックが削除できません。これは残したいノートブックを規定にすればOK。残したいノートブック内のノートを削除するのに、100ノートずつしかできません。これは、最初のノートを選択して、最後のノートをShift+ClickしたらMAXだけ選択され一時的に表示されるゴミ箱アイコンをクリックしていく、という今後一切使わないだろうTIPSで切り抜けました。結果として、4000近くあったノートが14まで絞れたので、これをATOK Padと連携するようにします。ノートの削除がクラウドと同期するにも時間が掛かるので、のんびりやる必要がありました。

【2023/12/23 14:38】
・MacBook AirからのEvernoteはwebで使っていたのですが、UpNoteでアプリになったことでローカルのストレージを消費するようになり、SSDの残量が厳しくなったので、換装作業を行いました。その顛末をこちらにまとめました。

【2024/01/18 14:33】
・Evernoteからエクスポートした12月上旬以来、Windows10からNASへのバックアップができていませんでした。原因は「複数のWebページ」(ノート毎の.htmlファイル)でエクスポートするファイル名が「ノートのタイトル.html」になり、これがOSの最大パス長MAX_PATH(256文字)いっぱいまで使っていて、バックアップ先ではMAX_PATHを超えるためにエラーとなっていたようです。既にエクスポートしたファイル群はzipファイルにまとめてあったので、htmlファイルをディレクトリごと削除したところ、バックアップできるようになりました。
こちらのページが参考になりました:
富士通Q&A - [Windows 10] ファイル履歴で正しくバックアップされているかどうかを確認する方法を教えてください。 - FMVサポート : 富士通パソコン

以上、何かの参考になれば幸いです。

パドラッパ from MacBook Air (2017)

| | | コメント (0)

2023/12/01

EvernoteからUpNoteへのお引っ越し

2023年11月30日にEvernoteから、無料プランでの大幅な機能制限を12月4日より行うという発表がありました。
Update: Evernote Free accounts will have fifty notes and one notebook
これによると要点は:
1. ノートブック数を1に、ノート数を50に制限する。
2. 既存の表示・編集・エクスポート・共有・削除は行える。裏返せば新規にノートやノートブックの作成はできない。
ということのようです。詳しくは次の記事にあります:
Evernote、無料プランを大幅制限 ノートの上限数が10万→50に - ITmedia NEWS
「Evernote」無料プランの上限変更が正式決定、導入は12月4日から - 窓の杜

さて、
個人的にはEvernoteを2010年6月から使っていて、一時期は課金もしていたのですが主な用途はメモ保存とニュースクリップで、あまり大した機能は使っておらず転送量も少なく、結局のところ無料プランで十分だと分かったので、ずっと無料でありがたく使っていました。この際だから課金することも一瞬考えたのですが、私が使う機能に年1万円オーバーは見合わないと感じます(貧乏くさくてすみません)。
課金は月1100円から

何はさておき、vaio(C type, Windows10)にインストールしてあるEvernoteのデスクトップアプリで、ノートブックをエクスポートします。Evernote独自のアーカイブ方式(.enex)が他のアプリで使えるとは限らないので、「数学ガール」の結城浩さんが7月にMastodonで書いておられたことを参考に、htmlでも保存しておくことにします。こうすれば「単一のWebページ」(ノートブック単位でまとめた.htmlファイル、以下「単一html」)をウェブブラウザ等で開いてPDF化したり一気にスクレイピングしたりできるでしょうし、「複数のWebページ」(ノート毎の.htmlファイル、以下「複数html」)から抽出するスクリプトを組むこともできるという考えです。ところがエクスポートは一筋縄でいかず、やたらと時間が掛かったり、特に単一htmlでは途中でエラーが出て止まったりしました。これはヘルプページに100ノートまでとあるのに2000ノート近くまでやってるせいかも知れませんし、私と同じように慌ててエクスポートしている人が世界中にいたせいかも知れません。結果として単一htmlにできたのは約1500ノートまでのノートブックで、2000近くノートがあるノートブックはできませんでした(後で再チャレンジします)。最終的にノートブック7つ・合計4000ノートが、enex計700MB、複数html計2GB、1ノートブック分を除く単一html計350MBになりました。

一通りエクスポートできたところで、よりスマートな方法を考えます。Evernoteからインポートできて、似たようなことができるノートアプリをあれこれ調べたところ下記の記事などから、買い切り3500円で使えるUpNoteが良さそうだと思いました:
14年使ってきたEvernoteをいよいよ見放す(2) - 移行先アプリはUpNote - KuriKumaChan’s diary
12年つかったEvernoteからUpNoteに乗り換えた|UCH
ノートアプリ難民必見!UpNoteが超気に入った理由を語りたい – RYOB.net
大きな問題点は【ノート共有ができない】ことと【webアクセスができない】ことのようです。前者は致命的だという人もいそうですが、後者は課金前提であれば問題無いでしょう(Evernoteの無料プランはアプリ2台制限があったので、これを回避するのにwebアクセスを使っていました)。あと、個人的にはEvernoteにリンクしていたATOK Padという古のメモアプリを使えなくなるのがちょっと痛いですが、これは何か考えます。

とりあえず、UpNoteをMacBook Air(2017, Catalina)スマホ(AQUOS Sense 6, Android13)vaio(C type, Windows10)へ各アプリストアからインストールしてみたところ、特に違和感なく使えました。買い切りの課金はAndroidだと3480円にクーポン100円引きでした。あと、ChromeにはUpNote Web Clipperも入れておきました。webクリッパーはMacアプリもあるのですが、こちらはmacOS11以上ということで、私のCatalina (macOS 10.15.7)には入れられませんでした。
Evernoteのアーカイブを作ったvaioでUpNoteへのインポートを始めようとしたところ、20MBを超えるファイルや30万文字を超えるノートはインポートできないという制限が表示されました。私の場合、7つのノートブックのうち4つのenexファイルが100MBを超え、うち2つのenexファイルが200MBを超えていたので切り分けるのは厳しいと思いつつダメモトで小さい順にUpNoteへインポートしたところ幸いファイルサイズチェックは無く、150MBまでの5つはインポートできたものの大きくなるほどCPU負荷が厳しくなり、200MB超ではOSが不安定になりました。そこで200MB超の2ノートブックについてはEvernoteに戻って新たなノートブックを作って半分ほどノートを移動する形でノートブックを分割してエクスポートし直し、結果として全てのenexファイルが150MB以下になりスムーズにUpNoteへインポートできました。しかし12/4以後だと新たなノートブックを作ることができないので、エクスポートの終わったノートブックを空にしてノートを移動するなどのテクニックが必要だろうと思います(それで本当にできるかは不明です)。あるいは一時的に課金するか。
なお、2000近くノートがあったノートブックは分割したあとでも単一htmlにはできませんでした(新たに作ってノートを移動してきた方のノートブックはOK)。ノート数だけの問題では無いようです。

Windowsでインポートが終わったら、MacとAndroidで同期確認します。4000ノートもある割にサクサク動きます。検索もとても速くてノーストレス。こんなに良いものをどうして知らなかったんだろうと思う一方で、今回のような騒動がなければ動かなかっただろうなと思います。ほぼ丸1日のスイッチングコストを払っただけのことはありました。
ただ、残念なことにMacのChrome webクリッパーが不安定で、動いたり動かなかったりします(WindowsはOK)。私個人の環境依存かなと思いましたが、レビューを見ると書いている全員が動作しないか不安定のようです(不具合でもないと書かないですしね)。まぁ、これはそのうちに直るでしょう。他方、AndroidのChrome共有は正常に動いています。

以上、何かの参考になれば幸いです。

パドラッパ from MacBook Air (2017)

ps. アップした直後に単一htmlにできなかったノートブックのノートを全部新しいノートブックに移してみたのですが、やはり単一htmlにできませんでした。どれかのノートが、複数htmlにはできても単一htmlにできないという不思議な状態になっているようです。

その後に気が付いたことを、随時次の記事に書いていきます:
EvernoteからUpNote、追補【随時更新】

| | | コメント (0)

2023/10/06

Seeed XIAO nRF52840をNiMH電池で動かす一方法(完結編)

CircuitPythonやArduinoによるBLEデバイスが開発できる切手サイズのSeeed studio XIAO nRF52840 Senseを使ったセンサ端末を単純にエネループで動かしたら電池が3日しかもたなかったので、せめて数ヶ月はもたせたいと検討した結果です。
これまで2回の中間報告(その1その2)では1年以上もちそうだと書いていたのですが、最終的には188日(ちょうど半年)になりました。
Senselogb
(検討前後を同一スケールで描いたもの)
Senselogc
(検討前後の終点を一致するスケールにしたもの)

単3エネループ2本で定期的にBLEで飛ばしながら半年。いい感じにできたかな、というのが自己評価です。以下、前に書いた内容も含めてまとめておきます。

ハード的な変更点は電源周りです:
(当初)電源はXIAOのVBUS端子へ5V供給する。5VはXCL102を使った5V出力昇圧DCDCコンバータで生成する。
Senselog2
 ↓
(検討後)電源はXIAOのVBAT(BAT+)端子へ3.3V供給する。3.3VはXCL103を使った3.3V昇圧DDコンで生成する。
Senselog4
この変更によって
・5Vと3.3Vの消費電流差
・XCL102とXCL103の効率差(下にグラフ添付)
の2点により、大部分の時間を占めるアイドリング時の消費電流(電池電流)が16mAから0.4mAまで減りました(ブレッドボード上での別サンプル実測値)。

ソフト的な変更点は次の2点です:
・動作インジケータとしてXIAOのLEDを付けていたのを消灯した。
・アイドリング時はXIAO内蔵の6軸センサ(IMU)をスリープした。
これらにより、アイドリング電流が約0.2mA減りました(ここは厳密に測っていません)。
ハードとソフトの変更前後での、実測値と比率をまとめると次の通りでした:
観測時点当初[mA]検討後[mA]倍率
起動時25.29.002.8
初期化後*16.20.2468
アドバタイズ16.10.4040
コネクト16.10.5032
アイドリング16.00.2272
*電源投入し初期化した後、1回接続するまで電流がふらつく傾向があった。

実機では、検討前に電池電圧が1.15V(x2)になるまで2.95日だったものが、検討後では188.16日で、63.8倍の改善です。アイドリング時の72倍から、接続によって倍率が縮まったものと考えられます。後付けの計算ですが、今回のセンサは親機と60秒に1回接続し、アドバタイズに5秒ぐらい掛かっています(送信は一瞬)。この場合の平均消費電流は:
0.22mA*(55sec/60sec) + 0.4mA*(5sec/60sec) = 0.235mA
で、倍率は16/0.235 = 68倍 になりますから、考え方としては合っていそうです。

ところで「1年以上もちそう」だと考えていたことの誤りは、上記の電流値を測れるようにした検討その2で考察したように、エネループの端子電圧が公称電圧1.2Vで維持されると思い込んでいたことにありました。この点は最初のグラフに現れているとおり、負荷の状態によって異なるのだと理解しています。その検討に使った「倍率グラフ」は、既に意味が無いことは分かっていますが、せっかくなので最終形を載せておきます:
Senselogd

ここで、上記に関係した図を参考に再掲しておきます:
Senseloga
XCL102とXCL103の変換効率(秋月電子さんの資料PDFから加工)

Senselog3
XIAO nRF52840 SenseのVBAT(BAT+)入力電圧と読み取り結果(なお、今回のセンサ端末では当初5V入力だったためXIAO内部のVBAT読み取りを使っていません)

以上、何かの参考になれば幸いです。

パドラッパ from MacBook Air (2017)

| | | コメント (0)

より以前の記事一覧