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2023/06/24

Seeed XIAO nRF52840をNiMH電池で動かす一方法(中間報告2)【2025/02/08追記・2025/04/22補足】

Seeed XIAO BLE Senseを使ったセンサ端末を雑にエネループで動かしたら悲惨だったのでちゃんと考えたら、2本で1年はもちそうになったというお話の続きです。結論が出るまでまだまだ時間が掛かりそうなのですが、想定外の状況になっているので中間報告します。
Senselog9

まずはおさらい。
Seeed studioのXIAO nRF52840 Sense単3エネループ(13年前に買った1900mAh品)2本で駆動するのに、XCL102を使った5V出力昇圧DCDCコンバータをVBUS入力に接続すると電池が3日しか持ちませんでした。
これではいけないと、低電流での変換効率がいいXCL103を使った3.3V昇圧DDコンをVBAT入力に接続すると、電池電圧1.29V(私の基準で電池残量75%)に達する時間が約150倍になった、と前回報告しました。(実は他にも変更点があったのですが、それは後述します。)

次の報告はエネループの公称電圧(1.2V)に到達したぐらいかな、と考えていたところ、前回報告後に電池もちの倍率が拡大して、なかなか公称電圧に達しないというありがたくも不思議な現象が発生しています:
Senselog7
(改造前後を同一の経過時間スケールで重ねたもの)
Senselog8
(改造後の経過時間スケールを150倍にしたもの。前回報告時点ではほぼ重なっていた。)

見方を変えて、改造後の経過日数を横軸に、同一残量に到達する時間の比を縦軸に取ったグラフを書いてみました(冒頭の再掲):
Senselog9
前回報告時点は倍率の底に近いところで、その後、電池もちが徐々に良くなってきて、1.26V(64%)の時点で255倍になっています。この調子だと3x255で765日、2年以上も持つ計算?皮算用?です。

どうしてこういうことが起こるのか。前回報告では「電池電圧が下がるにつれてDDコンの効率差が見えてくるなら倍率は増えるでしょう」と書いていたのですが、よく考えるとこれは逆で、電池電圧が3V(1.5Vx2)から2V(1.0Vx2)まで下がっても5Vで使っていたXCL102は効率が変わらないのに、3.3V用DDコンのXCL103は効率が落ちるので、電池電圧が下がると倍率は減る方向でした:
Senseloga
(秋月電子サイトのXCL102-103データシートから加工)
その他の仮説をあれこれ立てているのですが、よく分かりません。例えば:
・放電電圧カーブが寝てきたので、動作時の電圧降下が少なくなってきた→電池残量ログの上下エンベロープ幅が初期とあまり変わらないので却下。
・春から夏にかけて気温が上がってきたので電池の化学反応が活性化している→寒くなるまで分からない。
・省電力化によって電池自体のリカバリが効くようになっている→倍率が拡大する理由にならないので却下。
といったところです。今のところ2番目の気温説しか無いのですが、10℃ぐらいでそれほど効くとも思えず。ん〜。

さて、上述の前回書いていなかった変更点というのは:
・動作LED(緑色)の消灯:0.2mA
・IMUのスリープモード使用:0.09mA
の2点です。いずれも「倍率の拡大」には関係無いとしても、
(1900mAh/0.29mA)/24h = 272days
から9か月相当なので、1年以上持つようになればこれらの恩恵が大きいです。というか、そもそも数ヶ月がいいところだと思っていたのでした。

引き続きモニターしていきますが結論は相当先になりそう。そして、電池もちの倍率が拡大した理由は何でしょうね。
以上、何かの参考になれば幸いです。

パドラッパ from MacBook Air (2017)

【2025/02/08追記・2025/04/22補足】
Seeed Studio XIAO nRF52840 SenseをNiMH電池で動かすシリーズが不定期連載のようになってしまって前後関係が分かりにくいことにアクセス履歴を見て気が付きました。次のような構成になっていますので、適宜ご参照下さい:
1. 「Seeed XIAO nRF52840をNiMH電池で動かす一方法(の中間報告)
 …回路設計上のポイントはこちらにまとまっています
2. 「Seeed XIAO nRF52840をNiMH電池で動かす一方法(中間報告2)」(←この記事)
 …報告1の段階で考えていたより電池もちが良さそうに見えて(いまから思えば)見当違いのことを考えていた記録
3. 「電流測定用にハイサイドI/Vコンバータを作ってみました
 …電池もちについて検討するための治具を作った話
4. 「電流測定用ハイサイドI/Vコンバータとセンサ端末の検証(続き)
 …治具のレンジ拡大と精度確認を踏まえた電池もちの検討(「公称電圧」をアテにしてはいけないという学び)
5. 「Seeed XIAO nRF52840をNiMH電池で動かす一方法(完結編)
 …ようやく半年かかって電池切れになった、という結果を踏まえた整理
6. 「Seeed XIAO nRF52840をNiMH電池で動かす一方法(その後)
 …その後、電池が切れるたびに情報追加しています。現時点で3回2025/04/22現在で4回、ちょうど半年もっています

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