100均で330円のBluetoothリモートシャッターを改造しようとしたら別物だったお話(2022/12/26追記)
先日たまたま小さくて安いArduino互換ボードのSeeeduino XIAOを見て、速いしメモリも多くて凄い、と使ってみたくなりました。それとは別に、これから寒くなると電子書籍のページめくりで布団やコタツから手を出したくなくなるなぁ、とズボラなことを考えていたところでXIAOがUSBのHIDデバイスとしても使えることを知って、音量上げ下げだけをする小物を作ろうかな、とtwitterで呟いていました。
ちなみに私がAndroidタブレットで使っている電書アプリでは、ソニーの電子書籍Reader(ReaderStore)・紀伊國屋書店Kinoppy・読書尚友・なろうリーダ・Kindleが音量上げ下げでのページめくりに対応しています(2021/10/13・2022/12/26末尾に追記しました)。 するとフォロワーさんから、ダイソーのBluetoothリモートシャッターを改造する記事を教えて頂きました:ダイソーでスマホ用Bluetoothリモートシャッターを発見→分解→ちょい改造:ウェブ情報実験室 - Engadget 日本版 これはいい!と近所のダイソーを探したところ残念ながら見当たらなかったのですが、そのフォロワーさんがワッツで同じものを見つけた、と送って下さいました。ところが開けてみるとICが違います。

乗っているICの品番はYC1089。検索したところYiChip社のトリプルモードRF SOCでした。ダイソー品に入っていたLENZE社のST17H26と同じくOTPのようなのでプログラムの書き換えはできません(スクラッチから作る技術もありませんが)。 あらためて本体を見直すと技適番号と電池蓋の構造とON/OFFの刻印が違います。というわけで、他人のそら似でした:
Engadget記事品→No.201-170383, AB shutter3 (TO-OH社)
今回入手したもの→No.201-180749, CW-268BT (Core Wave社) 折角なので、あわよくば改造して使えるかと解析してみました。9本あるGPIOのうち、iOSボタン・Androidボタン・LEDに繋がっている3本以外の6本は基板上でNCになっています:

これらのどれかに音量下げのコマンドが付いていたら、Engadgetの記事と同じことができます。そこで同様に、GNDパターンにリード線をはんだ付けして針を繋いでおきます。電池はマスキングテープで仮留めしました。 Androidタブレットにキーコードを取得するアプリKeyEvent Displayを入れて、まずは本体の音量上げ下げをすると、キーコード24, 25が帰ってきました。これはAndroidの仕様通りです。
続いてリモートシャッターの電源を入れて接続し、GPIOピンを1つずつGNDに落としていきます。結果として、iOSボタンとAndroidボタンに対応するピンがキーコード24(音量上げ)で、他のピンは無反応でした。

そういうわけで、残念ながら音量下げのボタンを付けることはできませんでした。 それにしても、前のダイソー品でAndroidボタンは単なる音量上げでなくEnter+VolumeUPだったのに、今回のワッツ品は2つあるボタンに同一の機能しかないというのは、どういうことでしょう。電池蓋の構造などが違うことから金型を流用したわけでも無いでしょうし、よく分かりません。 結果としてページを戻すことはできませんでしたが、ほとんどの操作はページ送りなので、これはこれで使っていこうと思います。ページ戻りがどうしても欲しくなったら作りましょう。また、Seeeduino XIAOを使いたい欲を満たすネタも考えよう。 以上、何かの参考になれば幸いです。 パドラッパ from MacBook Air (2017) 【2021/10/13追記】
・ページめくり・送り・戻りと表記が揺れていたのを修正しました。送り:次のページに進む、戻り:前のページに戻る、めくり:送り戻り双方、とここでは定義しましたが、適切な用語があればまた直します。
・アプリによってページめくりの挙動が違って、特にソニーの電子書籍Readerではページ送りができませんでした。やっぱり作るしかないかな。また、マウスを繋いでテストしたところ、ほとんどのアプリは右クリックで本を閉じる動作になることが分かりました。
アプリ | 音量上げ | 音量下げ | メモ |
---|---|---|---|
Reader | ページ戻り | ページ送り | 不使用設定可 |
Kinoppy | ページ送り | ページ戻り | 設定なし |
読書尚友 | 送りor戻り | 戻りor送り | 双方向設定可 |
なろうリーダ | 送りor戻り | 戻りor送り | 双方向設定可 |
Kindle | ページ戻り | ページ送り | 不使用設定可 |
参考情報:ダイソーでEngadget記事と同じ技適番号の商品を買って開けたら基板が違ったそうです。 【2022/12/26追記】
Kindleアプリではページめくり不可と書いていましたが、BOOX Leaf2の製品紹介を読んでいてできることに気が付き、修正しました。設定は深いところにあって、次の通りです:
(読書画面で)画面中央をタップ→【Aa】をタップ→「その他」タブの下の方にある「音量ボタンでページをめくる」をON
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コメント
Takuohm83さん、コメントありがとうございます。ほんとうに残念です… (記録を残しておいてよかった)
投稿: パドラッパ | 2025/02/02 17:38
そうなのか…今手元の物をバラして中身一緒だった…お手軽改造出来そうに無いなぁ。
投稿: Takuohm83 | 2025/02/02 17:36