2025/12/31

2025年 面白かった本

今年もSNSで「読了。」とつぶやいた本をまとめてみました。

先に特筆したい本を挙げていきます(リンク先は版元):
まずは文学作品から。
いきなりリンク先が版元でなくて申し訳ないのですが、今年いちばん印象に残ったのは依空まつり著「サイレント・ウィッチ(web版)」でした。2025夏アニメだった「サイレント・ウィッチ 沈黙の魔女の隠しごと」が面白くて原作をチェックしたところ「なろう」で2020年に連載し完結していたことを知り、話が進むほどに夢中になって読み切りました。その余韻があまりにもよくて商業版(小説コミカライズ)までは手が伸びず、現在に至っています。ちなみに、アニメは本編全体の1/3ぐらいのところで綺麗に終わりました。
昨年ノーベル文学賞を受賞したハン・ガンさんの作品の電子化が白水社さんでも進み、「別れを告げない」と「回復する人間」を読めました。いずれも心の深いところをそっと撫でてきて揺さぶられました。なお、河出書房新社さんから出たばかりの「光と糸」は来年のお楽しみです。
第23回「このミス」大賞の土屋うさぎ著「謎の香りはパン屋から」は久々に読んだ日常系ミステリーで、謎解きとともに美味しそうなパンの小ネタと私が生まれ育った北摂の街並みも含めて楽しかったです。
今年は正月の「100分de名著」特番が筒井康隆だったこともあって「エロチック街道」、「パプリカ」、「脱走と追跡のサンバ」を楽しく読みました。一方、特番で推されていた中でも古い作品は電子化されていなかったり、されていても文字サイズ等の不自由な固定レイアウト型が多くて読めず、際限なく読むことにならなかったのは良かったのか悪かったのか。
ジェフリー・オヴ・モンマス著,瀬谷幸男訳「ブリタニア列王史――アーサー王ロマンス原拠の書」は、英国の起こりを描いた12世紀の偽史なのですが、荒唐無稽な中に古今の物語の原型みたいなものが続々と現れて、なかなかに凄かったです。

続いてノンフィクションです。
シジュウカラ語を解明したことで有名になった鈴木俊貴さん初の単著「僕には鳥の言葉がわかる」が抜群に面白かったです。ラジオやYouTubeなどで凄いとは思っていましたが、本にまとめられたことで主張や課題が経緯を含めて明確になっており、素晴らしい1冊でした。
動物ものつながりで、服部円著,子安ひかり監修「ネコは(ほぼ)液体である〜ネコ研究最前線」は、かわいいし知的好奇心を刺激されるしで面白かったです。列挙されている論文40本のうちオープンアクセスだった24本を全部読んで、いい頭の体操にもなりました。
ジェノサイドが21世紀になって起こるとは想像しておらず、イスラエルによるガザへの苛烈な攻撃に驚き心を痛めつつ、ホロコーストを契機とした建国との齟齬が理解できずにいたところで読んだ大治朋子著『「イスラエル人」の世界観』は衝撃的でした。著者のイスラエル人脈を元にした記述に多少のバイアスは感じられるものの、これを前提に考えないと和平はないのかも知れません。国外からの圧力はアメリカしか頼りにならないようですが、それも厳しそうだというのが次の本。
アメリカ社会思想の動向を論じた井上弘貴著「アメリカの新右翼―トランプを生み出した思想家たち―」は、様々な思惑が複雑に絡み合っている様子を見事に描写していて興味深かったです。この本は、先に会田弘継著「それでもなぜ、トランプは支持されるのか―アメリカ地殻変動の思想史」やベンジャミン・ウォレス著,小林啓倫訳「サトシ・ナカモトはだれだ? 世界を変えたビットコイン発明者の正体に迫る」を読んでいたおかげで理解が深まりました(特に後者のテック右派潮流)。眼前の現象より深いところを直視せざるを得ないようです。

次にまんがです。
今年は完結した作品が多くて、小板玲音著「エレナの炬火」、いのうえひなこ著「ウェスタの台所」、熊谷雄太著,スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ原作,今中哲二・後藤一信監修 「チェルノブイリの祈り」、馬場康誌著「ライドンキング」と続きました(「本好きの下剋上 第二部」は後述)。いずれも読み応えのある作品で、最後まで見届けられてよかったです。
年末に読んだ尾花せいご著,西洋魔術博物館監修「放課後おまじない倶楽部」は、たぶん一巻完結。いくつかは小耳に挟んだことがある迷信や伝承の数々を学園ものにコミカライズして解説も付いて、ギュッと詰まった面白い作品でした。

毎度の別枠。夏に第56回星雲賞(【日本長編部門(小説)】)受賞という大ニュースがあった香月美夜著・原作の「本好きの下剋上」シリーズが、いまも続いていて楽しんでいます。発行順にまとめると「【まんが】本好きの下剋上2-12」、「【まんが】本好きの下剋上4-10」、「【まんが】本好きの下剋上3-9」、「ハンネローレの貴族院五年生 2(+ドラマCD2)」、「【まんが】本好きの下剋上2-13」、「【まんが】本好きの下剋上4-11」、「ふぁんぶっく10」、「【まんが】ハンネローレの貴族院五年生1」の8冊+CD2枚でした(コミックス&CDにも原作者SSが付いています)。特に第一部から描き継いできた鈴華さんによる第二部は感動の結末を迎え、先行していた第三部の導入とも綺麗に繋げていて見事でした。そして第五部を鈴華さんが手がけることが9月に発表され、2026/01/19の新連載開始を前に「冒頭部試し読み」が公式サイト限定で行われています。また、春にはアニメ第4期も始まります。わくわくっ(←WIT STUDIO制作になるのでアーニャっぽく)
以下が全リストです(読んだ順、リンク先は感想つぶやき):
安克昌著「心の傷を癒すということ
宮地尚子著「100分de名著 安克昌『心の傷を癒すということ』
鷹野凌著「ライトノベル市場はほんとうに衰退しているのか? 電子の市場を推計してみた
馬場康誌著「ライドンキング(14)
会田弘継著「それでもなぜ、トランプは支持されるのか―アメリカ地殻変動の思想史
結城弘著,さばみぞれ絵「イマリさんは旅上戸
鈴木俊貴著「僕には鳥の言葉がわかる
有吉佐和子著「青い壺
鈴華著,香月美夜原作「【まんが】本好きの下剋上2-12
芦田徹郎著『100分de名著デュルケーム「社会分業論」
熊谷雄太著,スヴェトラーナアレクシエーヴィチ原作「チェルノブイリの祈り3
山本龍彦著「アテンション・エコノミーのジレンマ
サマル・ヤズベク著,柳谷あゆみ訳「無の国の門:引き裂かれた祖国シリアへの旅
安藤ホセ著「DTOPIA(デートピア)
勝木光著,香月美夜原作「【まんが】本好きの下剋上4-10
堀越功著「官邸vs携帯大手 値下げを巡る1000日戦争
小板玲音著「エレナの炬火3
ハン・ガン著,斎藤真理子訳「別れを告げない
スタニスラス・ドゥアンヌ著,長谷川眞理子・小林哲生訳「数覚とは何か?〔新版〕 心が数を創り、操る仕組み
今井むつみ著『AIにはない「思考力」の身につけ方 ――ことばの学びはなぜ大切なのか?
土屋うさぎ著「謎の香りはパン屋から
団まりな著「性と進化の秘密 思考する細胞たち
鴻巣友季子著「100分de名著 アトウッド『侍女の物語』『誓願』
遠藤浩二著「追跡 公安捜査
馬場康誌著「ライドンキング(15)
蒼井美紗著「図書館の天才少女 ~本好きの新人官吏は膨大な知識で国を救います!~ 3
結城弘著,さばみぞれ絵「イマリさんは旅上戸2
島泰三著「魚食の人類史 出アフリカから日本列島へ
土井勉著「ガチャコン電車血風録 地方ローカル鉄道再生の物語
海堂尊著「新装版 チーム・バチスタの栄光
マーガレット・アトウッド著,斎藤英治訳「侍女の物語
小林昌樹著「調べる技術 国会図書館秘伝のレファレンス・チップス
波野涼著,香月美夜原作「【まんが】本好きの下剋上3-9
サン=テグジュペリ著,渋谷豊訳「人間の大地
武井彩佳著「歴史修正主義 ヒトラー賛美、ホロコースト否定論から法規制まで
いのうえひなこ著「ウェスタの台所 ―忘れたぼくの世界ごはん―(3)
野崎歓著「100分de名著 サン=テグジュペリ『人間の大地』
浜由樹子著『ネオ・ユーラシア主義 「混迷の大国」ロシアの思想
鈴よひ著,蒼井美紗原作「【まんが】図書館の天才少女(1)
海堂尊著「死因不明社会 Aiが拓く新しい医療
マーガレット・アトウッド著,鴻巣友季子訳「誓願
香月美夜著「ハンネローレの貴族院五年生 2
若宮總著「イランの地下世界
大治朋子著『「イスラエル人」の世界観
飯田一史著「町の本屋はいかにしてつぶれてきたか〜知られざる戦後書店抗争史
ベス・メイシー著,神保哲生訳「DOPESICK~アメリカを蝕むオピオイド危機~
古谷博和著「幽霊の脳科学
中条省平 池澤春菜 菊地成孔 大森望共著「フィクションの超越者 筒井康隆
筒井康隆著「エロチック街道
依空まつり著「サイレント・ウィッチ(web版)
鈴華著,香月美夜原作「【まんが】本好きの下剋上2-13
ブラム・ストーカー著,田内志文訳「吸血鬼ドラキュラ
ポール・ギャリコ著,矢川澄子訳「ほんものの魔法使 罪のないお話
小川公代著『100分de名著 ブラム・ストーカー「ドラキュラ」
ハン・ガン著,斎藤真理子訳「回復する人間
島袋全優著「腸はなくとも食欲はある!2
ベンジャミン・ウォレス著,小林啓倫訳「サトシ・ナカモトはだれだ? 世界を変えたビットコイン発明者の正体に迫る
坂口志文,塚﨑朝子共著「免疫の守護者 制御性T細胞とはなにか
熊谷雄太著,スヴェトラーナアレクシエーヴィチ原作「チェルノブイリの祈り4
ジェフリー・オヴ・モンマス著,瀬谷幸男訳「ブリタニア列王史――アーサー王ロマンス原拠の書
服部円著,子安ひかり監修「ネコは(ほぼ)液体である〜ネコ研究最前線
馬場康誌著「ライドンキング(16)
エリザベス・キューブラー・ロス著,鈴木晶訳「死ぬ瞬間 死とその過程について
蒼井美紗著「図書館の天才少女 ~本好きの新人官吏は膨大な知識で国を救います!~ 4
仲村ひなと著,花波薫歩原作「【まんが】婚約破棄は自業自得~裏表がありすぎる妹はボロを出して自滅し、私に幸運が舞い込みました~ 1
勝木光著,香月美夜原作「【まんが】本好きの下剋上4-11
高平尚伸著「どんなに硬い体も柔らかくなる! 名医が教えるすごいストレッチ
宮下遼著『オスマン帝国全史 「崇高なる国家」の物語 1299~1922
筒井康隆著「パプリカ
カヤ著「転生少女はまず一歩からはじめたい~魔物がいるとか聞いてない!~(web版)
井上弘貴著「アメリカの新右翼―トランプを生み出した思想家たち―
島薗進著「100分de名著 E・キューブラー・ロス 『死ぬ瞬間』
香月美夜,椎名優,鈴華,波野涼,勝木光,草壁レイ共著「本好きの下剋上 ふぁんぶっく10
草壁レイ著,香月美夜原作『【まんが】本好きの下剋上 ~ハンネローレの貴族院五年生~ 「恋してみたいお姫様」1
デイヴィッド・ホワイトハウス著,堀川志野舞訳「図書館は逃走中
筒井康隆著「脱走と追跡のサンバ
ヒュー・ロフティング著,河合祥一郎訳「新訳 ドリトル先生アフリカへ行く
ヒュー・ロフティング著,河合祥一郎訳「新訳 ドリトル先生航海記
尾花せいご著,西洋魔術博物館監修「放課後おまじない倶楽部
佐藤卓己著「あいまいさに耐える ネガティブ・リテラシーのすすめ


以上80冊でした(web版は1作を1冊とカウント)。今年も印象的な本が多かったです。なお、取り立てて共有するまでもないと感じた場合はつぶやいておらず、実際に手に取ったのは上記+14冊(計94冊)ぐらいで、今年もぜんぶ読み切りました。ちなみに今年は2月に動画再生用のラズパイ5を買ってリモコンを作ってラグビーをめっちゃ観ていたので読書量が減るかと思っていたのですが、例年とあまり変わりませんでした。
来年もいい本と出会えますように。

なお、リストアップはnotestockの日毎表示から自作のPythonスクリプトで行いました。

それでは皆様、よいお年をお迎えください。

パドラッパ from MacBook Air (M2)

備忘: 2024年, 2023年, 2022年, 2021年, 2020年

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2025/07/17

カラー化した温湿度&暑さ指数表示端末を、ちょっと改良【2025/07/18追記】

おうちサーバーの温湿度データから求めた暑さ指数を表示する小箱を、昨年作った白黒表示のものからカラー表示に置き換えました。これで正面から見る限りでは現在のWBGT指標がとても見やすくなったのですが、ケース内のLEDを「危険」レベルの時の赤色だけにしてしまったので、正面以外からは指標が分からなくなってしまいました。

また、作っている時から気が付いていた夜間消灯時にスイッチでバックライトを点灯すると輝度MAX.になってしまう問題が、やはり地味に不便でした。

上記2点の不都合を、ちょちょっと改良しました。変化は後ろ姿だけです:
Cterm08
右上で光っているのはマイコン内蔵カラーLEDで、ゆっくり明滅します。また、左下に輝度調整用のボリュームが見えています。
回路図は次の通りです:
Wdd_term_color_sch05
GitHubのリポジトリも更新しておきました。

配線済みの基板とLCDを部品面側から見ると、XIAO上側のLEDが赤色単色からカラーに代わり、左下にLCD輝度調整用のボリュームが付きました:
Cterm09
回路面(部品反対面)は、少し配線が変わっただけです:
Cterm10
BOMは次の通りで、合計2087.5円でした(78円の追加)。なお、電線・ハンダ・ピン・ラベル・LED光拡散キャップ等の副材はカウントしていません:
itemdetailpricepcssubtotal
MPUSeeed XIAO ESP32C6104011040
LCDM154-240240-RGB7501750
C105:RDER71H105K2K1H03B20120
C104:RPEF11H104Z2P1A01B10110
LEDPL9823-F540140
SWTCF-06210110
SWSS-12D00-G520120
VR3362P 10350150
subsAE-FRSK-120-UV-TH1201120
case内寸約60x40x30mm27.5127.5

ところで、GitHubにコードをアップするとCopilotによるAI添削が受けられるようになりました。起動すると"How can I help you?"と英語で訊いてきますが、試しに日本語で「何か問題があれば教えて下さい」とプロンプトを打ってみると日本語で回答されました。その結果、大きな問題は無いけれども関数に付ける注釈はdocstringにすべきだとか、定数は大文字が慣例だ、などと教えてくれました。この辺り、私が体系的に学んでいないことがあらためて突きつけられたということで、とりあえず簡単なところだけ直しました。その他、循環的複雑度の悪かったmain()を分割したり、エラーハンドリングを共通化するなどのリファクタリングもしました。他にも気になることがコメントの英語化など色々あるのですがキリが無いので、とりあえず今日のところはこれぐらいで勘弁してやります(ぉぃ)。ちなみに、今回使ったマイコン内蔵カラーLED配色がGRB(緑-赤-青)順なのですがCopilotはRGB順だと思い込んだようで、コメントで明記しても執拗に「間違ってる」と言ってきました。(PL9823の色順についてweb情報が少ないのはホビー用途で「動けば正義」だからか。まぁ、3.3Vで使っている段階で「動けば正義」そのものなのですが。)

以上、引っかかっていたところが解消してスッキリしています。何かの参考になれば幸いです。

パドラッパ from MacBook Air (M2)

【2025/07/18追記】
ケースを横向きにして蓋をLCD開口にした方が造形的にも加工的にもよかったかも、と今さらになって考えています:
Cterm11
というのは、画面が斜め上を向くのは良いし、DAISOミニパックは蓋素材PEの方が本体素材PPよりも切りやすいからです。もしかしたらAmazon Echo Show似になるのを無意識が避けたのかも知れませんが(似てない)、1年前に気付きたかったところ。
あと、ケース加工にはホットナイフなどがいいかも、とMastodonで教えてもらいました。次に向けて考え中です。

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2025/07/12

温湿度&暑さ指数表示端末をカラーLCD化しました

2025年の西日本は梅雨明けが平年より20日ほど早まって6/27になり、既に猛烈な暑さが来ています。6/25には昨年作った温湿度&暑さ指数表示端末カラーLEDが煌々と赤く輝き、同時におうちサーバーに付けているスピーカーから「暑さ指数が危険レベルです」という合成音声が流れてきました。
その、カラーLEDが赤く光っている私のMastodon投稿を見て、カラーLCDで温湿度計付きデジタル時計を作っている方が「暑さ指数の色を液晶の背景色にして表示してみた」と投稿されました。一目見て「面白い」と思い、私もカラーLCD化してみた次第です。
Cterm01

あらためて秋月電子さんのLCD一覧を眺めていると、
a. 1.54インチ240x240ドット (M154-240240-RGB) と、
b. 2.8インチ320x240ドットのタッチパネル&SDカードスロット付き (MSP2807)
の2つが目に留まりました。最近発売されたばかりのa.は「いつもの」100均ケースにちょうど入りそうです(但し、下の方が蓋と干渉して見えないので、実質的に240x200程度になります)。b.は面白そうなのですが、少しばかり大きいのと、POSハンディ端末のようなオマケ機能を使うアイデアが浮かばなかったので、今回はパス。というわけで、LCDはa.を使うことにしました。

機能的には去年作った白黒端末と同様に、おうちサーバーからWi-Fiで室内外のデータを貰ってきて表示することにします。
  1. 文字と背景の色は環境省の「運動に関する指針」を用います(私自身の体感とも合ってます)。
  2. 室内・室外表示切り替えにスイッチを付け、「危険」レベルになったら目立つようにLEDを点滅させます(今回は単色の赤色LED)。
  3. バックライトはふだん起きている時間帯だけ点灯し、通常は消灯する夜間でも「危険」レベルになったら点灯することにします。

使うLCD(a.)は電源とI/Oの電圧範囲が2.4〜3.3Vと低めなので、マイコンもこれに合わせる必要があります(まぁ、組み込みなら大抵大丈夫でしょう)。去年出てから気になっていた、Seeed Studio XIAOシリーズで初めてWi-Fi内蔵アンテナを搭載したESP32C6も大丈夫なので、これを今回は使ってみました(手持ちのRaspberry Pi PICO Wも考えたのですが、細長すぎて使いにくくて)。電圧は3.3VでOKですし、内蔵DDコンの3.3V出力も余裕ありそうです。(回路図やIC仕様を確認するとXIAO内蔵のDDコンは1A出力で、ESP32C6自体は高々400mA、a.のLCDはドライバー7.5mAとバックライト40mA max、あとはLED程度。但しレーティングは不明。)CircuitPythonもサポートされていて、a.のLCDドライバST7789Vも使えます。

部品が着いて、すぐに検討を始めました。いきなり面食らったのがXIAO ESP32C6にCircuitPythonのF/Wを書き込んでリセットしてもドライブがマウントされないこと。実はESP32C6はUSB OTG非対応で、同じXIAOシリーズのnRF52840などとは使い勝手が違うようです(ちなみにESP32S系はUSB OTG対応)。USBシリアル接続にはThonnyが推奨だということで、Muエディタ終了のお知らせを承けてインストールだけしていたものを使うことにしました。(他にwebシリアルという手もあるのですが直接編集できないなど不便でパス。)
ツールの使い方だけ分かれば、あとは大体いつも通り。CircuitPythonはチュートリアルがしっかりしているので、初めてだったWi-Fi接続液晶表示も特に問題無くできました。特にWi-Fiについては、ssidなどのパラメータをsettings.tomlファイルに隠蔽することが推奨されており、このおかげで手軽にコードを共有できます(このやり方は便利なので他でも使おうと思います)。ただ、デフォルトのフォントが好みでなかったので、ちょっとFelo AIさんに訊いて、MINTIAで有名なFuturaフォントotf2bdfで変換して使うことにしました(これは再配布しません)。ところが、フォントを変えると表示はいいのですが処理が重く、書き換えているのが目で見えるほど時間が掛かります。
このタイミングで表示エリアが縦に広がったことと等幅フォントを使わなかったことに対応したwebアプリも新たに起こしました。そのレスポンスは次の通りです:
Cterm02
(PCのChromeによるキャプチャ)

・・・というようなことをしながらでも、1日でブレッドボード上で一通り動くところまではできました。その後、関数を整理したりエラー発生時の処理を加えたりウォッチドッグタイマを仕掛けたりしてコーディングに区切りを付け、実機制作にかかりました。手順としては配置をざっくり検討し、ケースのLCD面を開口し、部品をはんだ付けし、スイッチと電源コネクタの位置を現物合わせで開口して、一安心したら配線です。まず、できたケースはこの通りです:
Cterm03
加工はカッターナイフがメインで、一部ハンドドリルを使いましたが、もうちょっと楽な方法は無いものか。

続いて配線済みの基板とLCDを部品面側から見ると、この通りです:
Cterm04
回路面(部品反対面)からは、この通りです:
Cterm05
LCD裏側のピンヘッダ高さに相当する厚さの消しゴムを貼って、回路側の基板と水平が出るようにしています。これをしないと、何かの拍子にLCDを触るとケース内にLCDが倒れます。

組み立てたものが、こちらです(冒頭の写真再掲):
Cterm01
従来の白黒端末と重ねて見ると、こんな感じ:
Cterm06
コントラストが良く、文字も明瞭になって見やすくなりました。

ところが、組み立てた後にネットワークエラーが頻発するようになりました。配線は合っているようで(というか、基本的に動いているし電圧関係もおかしくない)、Thonnyに繋いでもデバッグが利かないというピンチ。もしかして、と思ってXIAO ESP32C6とLCDの3.3Vにパスコンを入れたらあっさり直りました。Wi-Fiを使うのに不用意にピンヘッダを使ったりペリフェラルへ長いラインを引いたりしたらダメだね、という基本的なお話でした。

実際に使い始めたところ、わが家の居間ではバックライトが眩しすぎるという問題も出ました。これはHigh/LowのみだったバックライトのコントロールをPWMで調整し、結果として20%ぐらいで落ち着きました(上記の写真はバックライト輝度調整後です)。しかしながら、夜間消灯時にスイッチでバックライトを点灯するときはLCDの内部プルアップで単なるHighレベルになってしまうので、暗く点いて欲しいタイミングで眩しくなる、というトラップになっています。これだけのためにポートを1つ使うのもなぁ、と悩んでいるところです(いっそ可変抵抗で調整した方がいいかも)。

以上の検討を踏まえた回路図は次の通りです:
Wdd_term_color_sch
XIAO ESP32C6が機能てんこ盛りなおかげで、とてもシンプルになりました。
コードはGitHubにリポジトリを作って置いておきました。なお、ここにはネットワークパラメータ(settings.toml)とフォントは置きませんので、そのまま動くものではありません。

BOMは次の通りで、合計2009.5円でした。なお、電線・ハンダ・ピン・ラベル等の副材はカウントしていません:
itemdetailpricepcssubtotal
MPUSeeed XIAO ESP32C6104011040
LCDM154-240240-RGB7501750
C105:RDER71H105K2K1H03B20120
C104:RPEF11H104Z2P1A01B10110
LEDOSR6LU5B64A-5V12112
SWTCF-06210110
SWSS-12D00-G520120
subsAE-FRSK-120-UV-TH1201120
case内寸約60x40x30mm27.5127.5
白黒からカラーになって部品点数が激減して1000円もお安くなったのは、XIAO ESP32C6が機能の割に安く、LCDの値差も無かったおかげです。

さて、
関東以北の梅雨明けはまだですが、空梅雨の高温になったりゲリラ豪雨に見舞われたりしているようです。琵琶湖の水位も低めで推移しています。この、全体的には雨が降らないけれど降るときは土砂降りになるという現象が地球温暖化に伴うものであることを、竹筒の太くなった「ししおどし」モデルで説明されているのを最近知りました:
Cterm07
出典:国立環境研究所 気候変動適応情報プラットフォーム(A-PLAT)気候変動適応における広域アクションプラン:災害対策分科会:災害時の孤立に備える~地域特性に応じた減災としての適応~(気候変動 適応における広域アクションプラン2024年度版) p.10
折しも参議院選挙が7/20まで行われているところ、温暖化防止・再エネ化などへ本気で取り組む候補者・党が躍進できればいいなと思っているところです。もちろん自分でも温暖化抑止にできることを引き続き行います。

以上、何かの参考になれば幸いです。

パドラッパ from MacBook Air (M2)

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2025/05/23

MacBook Air(M2)の腱鞘炎対策

今日はこんなのを作った小ネタです:
Tilt1
2025年3月にMacBook AirをMid 2017(Intel)からM2に乗り換えてから、性能的には快適に使っています。いちばん驚いたのは、Android Studioで自分用に作っているアプリのビルドが一瞬で終わった時。Intelのときは麦茶を汲みに行ったりする時間があったのに、M2だと目を離した隙に終わっていて、バグで止まったのかと思ったほどでした。
「性能的には」と思わせぶりに書いたのは、春頃から手首と肘の腱鞘炎に悩まされていたのです。でもこれを自分の老化と認識していて、MacBook Airの乗り換えとはリンクしていなかったのでした。ところが一昨日Mastodonを眺めていたら、notestockなどの作者であるおささんが新しいvaioを買ったと呟いていて、その機種の紹介ページを見てみると「タイピング時の手首の疲れを軽減 ディスプレイを開くとキーボード奥側が持ち上がり、タイピングしやすい角度のつくチルトアップヒンジ機構を実現。手首にかかる負担を軽減する(後略)」と書かれているのに目が行きました。さすがvaioと思った次の瞬間「もしかして腱鞘炎はMacBook Air(M2)のせいか」と気が付いてしまいました。そういえば、2代続けて「くさび形」のMacBook Airだったのでフラットな筐体が合うか心配していたのを、すっかり忘れていました。

さっそくチルトさせてみます。周りを見回して、とりあえず段ボールを折って敷いてみました:
Tilt2
あらあら、てきめん楽です。これで1日様子を見ていたら、あれだけ悩まされていた腱鞘炎がすっかり治まりました。高さは2cmぐらいが適当そうです。というわけで、いい感じに恒久対策することにします。

MacBook Airの幅30.41cmと一致して見映えのマシそうなものを探したところ、ちょっと試しただけで使ってなかったセリアのボックスティッシュカバーがジャストサイズ。
Tilt3
これに芯を入れてみます。愛用している和平フレイズさんのミルクパンの空き箱を切って折り癖を付けて、
Tilt4
畳んで両面テープで留めて、ティッシュカバーに入れて丸めて、両面テープで留めたらできあがり。
Tilt5
MacBook Airに敷いて後ろから見てみると、
Tilt6
なんだかシンデレラフィットしています。横から見ると冒頭の写真の通りです(再掲):
Tilt1

歳を取ると、なんでも人のせいにする人もいるようですが、私は自分にベクトルを向けてしまいがちなのかも知れません。不都合があったら柔軟に可能性を考えないといけないなと、あらためて反省した次第です。
いま写真の転送のためにUSBポートを使ったところ、vaioさんの宣伝通りケーブル抜き挿しがやりやすくなっていました。さすがvaioさんは自分たちの使いこなしをユーザーと共有していますね、次にWindows PCを買うときもvaioかなぁ(実はSRX - U101 - type P - CBとvaioノートのユーザーです、もう13年も買ってないけど)。片やAppleさんは… やっぱりデザイン優先なのかな。

以上、何かの参考になれば幸いです。

パドラッパ from MacBook Air (M2)

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2025/05/14

【お知らせ】「電子工作」カテゴリを追加しました【2025/05/16追記】

これまでArduinoSeeed XIAOESP32Raspberry PiTinkerBoardなどを使った電子工作についての記事は「パソコン・インターネット」のカテゴリに入れていたのですが、ボリュームが増えてきたので「電子工作」カテゴリを作って2つのカテゴリを併用することにしました。ご利用下さい(いちばん使うのは私自身だと思いますが〜)。

パドラッパ from MacBook Air (M2)

【2025/05/16追記】
No imageで寂しかったので、ChatGPTさんに『「電子工作」という言葉でイメージする絵を描いてみて下さい』とお願いしてみました。その結果がこちら:
Diy01
ハンダごて周りが間違い探しみたいになっていて興味深いです。ブレッドボードからリードがはみ出すのは心当たりあるかも。
続けて、英語で Please make a image of "Electronics as a DIY project". とお願いしたのがこちら:
Diy02
テスターさん仕事して〜

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