2025/02/07

ラズパイ5の電源SWと周辺AV機器のリモコン+webアプリ【2025/02/11追記】

この1つ前の記事でRaspberry Pi 5(ラズパイ5)の電源をリモート起動できることを確認しました。続けて、わが家のラグビー観戦環境を整えに掛かりました。最終的にできた制御ボックスはこんな感じになりました:
04upper
…プリンタの不調でラベル品質がイマイチです。

まずは機能の検討です。ラズパイ5とともに、少なくともテレビの電源ON/OFFと入力切換はしたい。これはArduinoのIRremoteライブラリを使って赤外線LEDから送信すればいいので、以前やったことを思い出しながらやりました。実はバージョンがすごく上がっていて少々戸惑いましたが、結果としてexampleのReceiveDemoを使ってリモコンコードを読み込み、REGZAの場合はIrSender.sendNEC()に乗せるだけでした。
また、テレビをVIERAからREGZAに買い換えたせいだと思うのですが、パナソニック製サウンドバーの入力切換がREGZAに追随してくれず、先にDIGAを使っていた場合にサウンドバーのリモコンで入力をTVに切り換えないと音が出ません(たぶん、VIERAリンクとREGZAリンクの方言に引っかかった)。よって、サウンドバーの入力切換もできるようにしたい。これも赤外線リモコンなので上記と同様にコードを読み込み、IrSender.sendPanasonic()に乗せて、テレビとサウンドバーの両方が受信できる場所に赤外線LEDを置くことにしました。
ここまでの4機能(ラズパイ5電源・テレビ電源・テレビ入力切換・サウンドバー入力切換)は、デバッグ用を兼ねて、プッシュスイッチでも動かせるようにします。

リモートでのコントロール方法は、おうちサーバーとして常時稼働しているTinkerBoardにwebアプリを乗せて、ここからSPIでArduinoにコマンドを送ることにしました。事前実験でこちら(そのものズバリの簡潔な記事)こちら(SPIの基礎)こちら(spidev : Linux用Python SPIライブラリ)などを参考にして動作確認したあと、
a.一方通行でいいことからMISO(Master In Slave Out)が要らないか
b.1対1で1バイト送れればいいことからSS-/CSが要らないか(マスタのSSはNC、スレーブの/CSは常時L)
の2点を確認したところどちらも大丈夫だったことから、TinkerBoardとArduinoのSPI接続はMOSI・CLK・GNDと3.3V電源の計4本で済み(なんとGPIO端子も並んでいます)、するとUSB2.0ケーブルを流用できるというアイデアが出ました(高々9600bpsなのでMOSIとCLKのクロストークも問題無いと考えた)。試しにジャンクのUSBレセプタクルでTinkerBoard側・Arduino側それぞれのアダプタを作ってUSB A-MicroBの1.5m充電・転送ケーブルで繋いだところ、無事に通信できました。(ところが下記の通り、おそらくb.で副作用が出た。)

ここまでの検討をもとに、プッシュスイッチとSPI通信によって4機能を動かすスケッチを書いたのですが、ひとつ問題が発生しました。それはラズパイ5の電源で【ON-delay(500)-OFF】としていたところ、スイッチでは0.5秒待ちになるのに、SPI通信だとdelay()が消えてしまったのです(millis()で確認すると0〜1msecのパルスになっていたが、オシロでは確認していない)。実際ラズパイ5に繋いだところ、スイッチは確実に効くにも拘わらず、SPIでは不発多発で不安定。色々検索したところ割り込み関係のようだったのでdelayMicroseconds()やdetachInterrupt()などを試してみたのですが効きませんでした。おそらく上記b.でSS-/CSを省いたため、SPIデータが入ったあとタイムアウトするまで割り込みが解除されないのだろうと考えていますが、このままでは肝心のラズパイ5の電源制御ができません。
そこで、ラズパイ5については【ON-delay()-OFF】とするのでなく、【コマンドが入るごとにトグルする】ことを考えました。スイッチの場合はダブルクリック、SPIの場合はマスタ側のPythonスクリプトにtime.sleep()を入れて2回コマンドを入れることで、ONとOFFを切り換えるわけです。これで、必要な動作になりました。

あと、制御ボックスに付けられるスイッチは数個までですが、実際に使うシーンを考えると、音量調整などをリモートでできると便利です。そこで、スイッチとSPIで共通のコマンド以外のデータがSPIから来た場合にはテレビのリモコンコードだと見なして赤外線LEDから送信することにしました。これにより、新たな機能を付け加えたい場合には制御ボックスに無関係にマスタ側のアプリ(今回はwebアプリのスクリプト)を変更するだけで済むようにできました。

最終的な回路図は次のようになりました:
05sch

内部の基板は2段重ねです。次の写真左上がラズパイ5と赤外線LEDへのコネクタとスイッチおよびインジケータLEDの基板、左下がATmega328PとSPIインターフェース(に使っているmicroBレセプタクル)周りの基板です。写真の右側がwebアプリのキャプチャで、基本の4機能に加えて、音量調整やテレビのYouTubeアプリのコントロールができるようにしています。
06inside

BOMは次の通りで、合計1051円でした。なお、電線・ハンダ・ピン・ラベル等の副材はカウントしていません:
itemdetailpricepcssubtotal
MPUATmega328P w/bootloader4401440
microUSBAE-USBmB-PNL2501250
Tr2SC1815L-GR5210
IR LEDOSI5FU3A11C20120
RED LEDOSR5JA3Z74A5.515.5
Green LEDOSG8HA3Z74A616
PH postS2B-PH-K-S10220
PH housingPHR-25210
Push SWTVBP06-B043CW-B20120
Push SWDTS-63-F-N-V15460
C0.1uF10110
C1.0uF25125
C47uF10220
R47111
R10k144
R100k122
case内寸約60x40x30mm1101/427.5
D基板AE-DB1403120

Arduinoのスケッチと、マスタ側でマニュアル操作するためのPythonスクリプトは Githubにリポジトリを作って上げておきました(上記webアプリはサーバー環境に依存しますのでアップしません)。
世界屈指のハイレベルリーグであるフランスTOP14ではフル尺の試合動画が無償公開されていてStade Toulousain(トゥールーズ)の齋藤直人選手やUnion Bordeaux-Bègles(ボルドー)のテビタ・タタフ選手らが頑張っている姿が観られますし、ワールドラグビーの動画サイトRugbyPass TVは無料登録で多くのコンテンツが観られます。このRugbyPass TVでは、2025秋の女子ワールドカップや、セブンズシリーズがフル尺で観られ、サクラフィフティーン&サクラセブンズの勇姿が観られると思います(国内で放送・配信されない試合に限る;権利関係ですね)。今回作った仕組みで楽に観られるようになったので、これからも楽しく応援していきます。

以上、何かの参考になれば幸いです。

パドラッパ from MacBook Air (2017)

【2025/02/11追記】
1. 実働でラズパイ5電源制御のトグル動作が十分安定していることが確かめられたので、delay()の効くloop()内で2回電源制御コマンドを送ってトグルON-OFFするようにしました(RP5ctrl.ino)。これで、ラズパイ5の電源だけダブルクリックする必要が無くなりました(メモ貼りも不要になった)。
2. linuxコマンドラインツール(rp5etc_cli.py)内のウェイトを入れる場所を間違えていたので直しました。
以上2点を加えたソースはGithubに上げておきました。
3. ケースの蓋を開けるついでにラベルを作り直しました。
07upper2
…少しはマシになったかな。

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ラズパイ5の電源SWをリモート操作する方法

web上の動画コンテンツ、例えばRugbyPass TVTOP14MBS HANAZONO LIVEJSPORTS RUGBY(要はラグビー)を大画面で観たいとき、これまではWindowsノートPCをテレビの横に持っていってHDMIケーブルを繋いで映していました。はっきり言って面倒だったのですが、ふとASUS TinkerBoard 2Sが使えるかもと思って試したところ、ギリギリ再生できるもののメモリが2GBでは不足するようで安定に動くとまでは言えない感じでした。基本的にラズパイよりもTinkerBoardの方が好きなのですがハイパフォーマンスモデルが出ていないので、最新のRaspberry Pi 5(以下ラズパイ5)を買いました(メモリはスイッチサイエンスさんの検証記事を参考にして4GB)。かなり久しぶりのラズパイで、Bluetoothキーボードのセットアップなどが簡単になっていて感心し、プリインストールのFireFoxで各サイトのコンテンツもスムーズに再生でき、導入して良かったです。ブックマークなどを一通り設定したあとテレビの裏に常駐させ、普段の操作は330円の無線マウスだけで済むようになりました。

ところが今度は、ラズパイ5の電源を入れに行くためだけにテレビの裏に回るのが面倒になってきました。我ながらズボラだと思いつつ、ほかのAV機器はリモコンで動くのですから当然と言えば当然です。
そこでラズパイ5をリモート起動できないか検討してみました。

ラズパイは5から基板上に電源スイッチが付いています。普通の小さなタクトスイッチなので、おそらく一方がプルアップされて電源コントローラか何かの割り込み入力に繋がっているのだと思います(回路図が公開されていないため推測)。そうであれば、次の図のように電源スイッチと並列にスイッチング素子を入れてコントロールできるだろう、と考えました。
01concept

しかし安くないラズパイ5本体の素子に直接はんだ付けするのは危なっかしいと思っていたところ、実は外部スイッチ接続用のジャンパ端子「J2」があると公式にアナウンスされていると知りました。それで現物確認したところ、基板端から見て左側が電源スイッチと内部配線で直結されており(ここでは「SWin」とします)、右側がGND電位でサーマルランドにしてくれていると分かりました。
02j2terminal

公式の説明では「ノーマリオープンのスイッチを付けたらいいよ」とだけ書かれていますが、綺麗な2.54mmピッチのジャンパ端子があるのなら、変な電圧を掛けないように気をつけつつ、電子制御できそうです。

さっそく手持ちの部品を使って試してみました。マイコンはATmega328PのArduino、スイッチング素子は汎用Trの2SC1815です(フォトMOSリレーを使おうかと思ったが手持ち無し)。
03block

まず単純にプッシュスイッチを押したらGPOがHigh出力でSWinがLow-Zになり(この状態をONと呼びます)、離したらLow出力でHi-Zになる、というスケッチを書いたところ、ラズパイ5自体に付いているスイッチと同じ挙動になりました。続いてプッシュスイッチを押すと一定時間だけONになるようにしたところ、大体200msec以上あれば安定して動くようでした。(ちなみに、スリープ状態で数秒ONにすると起動せずスリープに戻るので、ON-OFF動作が必要です。また、稼働状態で数秒ONにするといきなり落ちて心臓に悪いです。)

これで当初のコンセプト通りに動くことが確認できました。あとは、このプッシュスイッチを赤外線リモコン(マイコンはArduinoなど)、Bluetooth(同Seeed Studio XIAO nRF52840など)、Wi-Fi(同ESP32-WROOM-32Eなど)、そのほか何らかの通信手段にすればいいわけです。
私の場合は常時稼働している宅内サーバー(TinkerBoard)にwebアプリを乗せてテレビなど周辺機器のコントロールを併せて行おうと思い、マイコンにATmega328Pを使って有線のSPI接続にしました。この話は別稿に分けました

以上、何かの参考になれば幸いです。実行される場合は自己責任でお願いします。

パドラッパ from MacBook Air (2017)

ps.
外部接続に剣山を立てるのがラズパイ流だと思いきや、J2端子がTHだったことに驚きました。剣山や裸のジャンパはショートさせそうで、ソケット接続のArduinoタイプが好きなのですが。

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2024/12/31

2024年 面白かった本

今年もSNSで「読了。」とつぶやいた本をまとめてみました。

先に特筆したい本を挙げていきます(リンク先は版元):
まずはノンフィクションから。今年最初に読んだダースレイダー著「イル・コミュニケーション」が、いまでも強く印象に残っています。本の内容もなのですが、本書は昨年末に電子化されたものの「固定レイアウト実例)」で極めて読みにくかったので、版元のライフサイエンス出版さんにリフロー化をお願いしたところ聞き入れられて嬉しかったのです。同じ「叢書クリニック」シリーズのインベカヲリ★著「伴走者は落ち着けない」もよかったです。
6/24の「視点・論点」からの関心で読んだ田中洋子編著「エッセンシャルワーカー」では、いつもお世話になっている方々の働きぶり(働かされぶり)が社会学的アプローチから明晰に分析されていて、いかに自分に周りが見えていないかを思い知らされました。
12/20の荻上チキ・ Sessionで知った橋本麻里,山本貴光共著「図書館を建てる、図書館で暮らす」は、まさに本好きの夢を叶えた実録で夢中になって読みました。そして本の結末を読むと、やっぱり私などが逡巡したり諦めたりするのも仕方ないよな、と慰められたりもしました。

次に文学作品です。今年のノーベル文学賞を受賞したことを機に読んだハン・ガンさんの電子化されている2作品「すべての、白いものたちの」と「ギリシャ語の時間」の、とても真摯な言葉の紡ぎ方が素晴らしかったです(いずれも斎藤真理子訳)。他も電子化されたら読みたいです。
GW前の荻上チキ・ Sessionに出演されていた頭木弘樹さんの編訳によるフランツ・カフカ著「カフカ断片集」で、はじめてまともにカフカを読みました。サブタイトル「―海辺の貝殻のようにうつろで、ひと足でふみつぶされそうだ―」の意味が読後にしみじみと感じられる、面白い体験でした。同じ日のエンディングで荻上チキさんが紹介されていたアンディ・ウィアー著,小野田和子訳「プロジェクト・ヘイル・メアリー」は、この著者×訳者の過去作品(「火星の人」「アルテミス」)をとても楽しく読んでいたのに気が付いておらず、ラジオを聴いていてラッキーでした。もちろん、とても楽しかったです。
あと、昨年に本編が完結した香月美夜著「本好きの下剋上シリーズ」は、引き続き「ハンネローレの貴族院五年生1」「短編集3」「ふぁんぶっく9」そしてコミカライズが出ていて、供給があるたびに立ち返って読み直すなど相変わらず楽しんでいます。

続いてコミックスです。カドコミで12月から連載されている小板玲音著「エレナの炬火」に1話で虜になって調べたところ、2023年2月に1巻が、2024年2月に2巻が出ていて、すぐに買って読みました。カドコミではいまのところ最新の第5話まで無料で読めますが、前回の第4話あたりでただならぬストーリーであることが見えてきます。いまの連載ペースだと、2025年2月頃に3巻が出そうで、引き続きウォッチしていこうと思います。
最後に、カドコミとニコニコで4月に始まったいのうえひなこ著「ウェスタの台所」が世界グルメとSFとラブコメを上手にミックスしていて楽しいです。12/26に2巻が出たところで、これからの展開が楽しみです。
以下が全リストです(読んだ順、リンク先は感想つぶやき):
ダースレイダー著「イル・コミュニケーション 余命5年のラッパーが病気を哲学する
齊藤新三著,山田祥寛監修「Androidアプリ開発の教科書 第3版 Kotlin対応
劉慈欣著,大森望,古市雅子共訳「白亜紀往事
山本直輝著「スーフィズムとは何か イスラーム神秘主義の修行道
朱喜哲著「100分de名著 ローティ『偶然性・アイロニー・連帯』
中田考著「イスラームから見た西洋哲学
長谷部愛著「天気でよみとく名画〜フェルメールのち浮世絵、ときどきマンガ〜
周司あきら,高井ゆと里共著「トランスジェンダー入門
石田夏穂著「黄金比の縁
馬場康誌著「ライドンキング(12)
のの原兎太著「生き残り錬金術師は街で静かに暮らしたい(web版)
池崎数也著「世知辛異世界転生記(web版)
中江有里著「水の月
立木康介著「100分de名著 フロイト『夢判断』
アンドリュー・スチュワート著,小林啓倫訳「情報セキュリティの敗北史〜脆弱性はどこから来たのか
東映(株)監修「王様戦隊キングオージャー バーチャルプロダクションガイド
ラテン語さん著「世界はラテン語でできている
日野行介著「情報公開が社会を変える〜調査報道記者の公文書道
いとうみゆき著「車のおうちで旅をする
米澤穂信著「冬期限定ボンボンショコラ事件
円満字二郎著「難読漢字の奥義書
小黒康正著「100分de名著 トーマス・マン『魔の山』
勝木光著,香月美夜原作「【まんが】本好きの下剋上4-8
岡真理著「ガザとは何か~パレスチナを知るための緊急講義
熊谷雄太著,スヴェトラーナアレクシエーヴィチ原作「チェルノブイリの祈り1
村上春樹著「TVピープル
畑中章宏著「100分de名著 宮本常一『忘れられた日本人』
宮田和樹,馬場千枝,萬谷ひとみ共著「アクセシブルブック はじめのいっぽ
石田夏穂著「我が友、スミス
村中直人著「ニューロダイバーシティの教科書
フランツ・カフカ著,頭木弘樹編訳「カフカ断片集
吉田千亜著「孤塁 双葉郡消防士たちの3・11
雨宮ひかる著「ゆるワニ ビビ 〜くちのとじかた、おしえてください〜
福田雄介文・関俊一絵「イリエワニ
図書館振興財団編「『図書館の学校』(2024年春号)特集:読書バリアフリー法について考える
熊谷雄太著,スヴェトラーナアレクシエーヴィチ原作「チェルノブイリの祈り2
鈴華著,香月美夜原作「【まんが】本好きの下剋上2-11
餅月望著「ティアムーン帝国物語短編集
沙嶋カタナ漫画,ポール・ギャリコ原作「猫語の教科書
五味太郎著「ならんでいる
田中洋子編「エッセンシャルワーカー 社会に不可欠な仕事なのに、なぜ安く使われるのか
平出和也著「What's Next? 終わりなき未踏への挑戦
馬場康誌著「ライドンキング(13)
酒井啓子著「〈中東〉の考え方
香月美夜著「ハンネローレの貴族院五年生 1
アレクシエーヴィチ原作,小梅けいと著「戦争は女の顔をしていない 5
波野涼著,香月美夜原作「【まんが】本好きの下剋上3-8
アンディ・ウィアー著,小野田和子訳「プロジェクト・ヘイル・メアリー 上下
安田謙一著「神戸、書いてどうなるのか
マリーナ・オフシャンニコワ著,武隈喜一・片岡静訳「2022年のモスクワで、反戦を訴える
piro piro piccolo著「意外と知らない鳥の生活
安田登著「100分de名著 ウェイリー版『源氏物語』
いのうえひなこ著「ウェスタの台所 ‐忘れたぼくの世界ごはん‐ (1)
長嶋有著「僕たちの保存
インベカヲリ★著「伴走者は落ち着けない ─精神科医斎藤学と治っても通いたい患者たち─
マーサ・ウェルズ著,中原尚哉訳「システム・クラッシュ
あれっくす著「私の魔法の先生は魔法が使えない -第二幕-(1)
松浦晋也著「日本の宇宙開発最前線
ハン・ガン著,斎藤真理子訳「すべての、白いものたちの
香月美夜,椎名優,鈴華,波野涼,勝木光共著「本好きの下剋上 ふぁんぶっく9
蒼井美紗著「図書館の天才少女 ~本好きの新人官吏は膨大な知識で国を救います!~ 1,2
泡坂妻夫著「煙の殺意
冬原パトラ著「異世界はスマートフォンとともに。(web版)
フランツ・カフカ著,頭木弘樹編「決定版カフカ短編集
島袋全優著「腸はなくとも食欲はある! 1
星見うさぎ著「婚約者様には運命のヒロインが現れますが、暫定婚約ライフを満喫します!~あなたの呪い、嫌われ悪女の私が解いちゃダメですか?~(web版)
RAハインライン著,森下弓子訳「ルナ・ゲートの彼方
安田陽著「再生可能エネルギー技術政策論 日本特有の問題点の整理と課題・解決法
仲村ひなと著,石之宮カント原作「【マンガ】始まりの魔法使い 2
青柳碧人著「浜村渚の計算ノート 11さつめ エッシャーランドでだまし絵を
小板玲音著「エレナの炬火 1,2
香月美夜著「本好きの下剋上 短編集3
勝木光著,香月美夜原作「【まんが】本好きの下剋上4-9
ハン・ガン著,斎藤真理子訳「ギリシャ語の時間
橋本麻里,山本貴光共著「図書館を建てる、図書館で暮らす 〜本のための家づくり
いのうえひなこ著「ウェスタの台所 ―忘れたぼくの世界ごはん―(2)

以上79冊でした(web版は1作を1冊とカウント)。あらためて振り返ると印象的な本が多い年でした。なお、取り立てて共有するまでもないと感じた場合はつぶやいておらず、実際に手に取ったのは上記+18冊(計97冊)ぐらいで、今年もぜんぶ読み切りました。もうちょっとで100冊でしたが、数は追いません。
来年もいい本と出会えますように。

なお、リストアップはnotestockの日毎表示から自作のPythonスクリプトで行いました。

それでは皆様、よいお年をお迎えください。

パドラッパ from MacBook Air (2017)

備忘: 2023年, 2022年, 2021年, 2020年

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2024/11/27

時計をOPPO Band 2に代えました

2021年の5月に買ったOPPO Band Styleを気に入って使ってきたのですが、先週末に何故か充電できなくなって(後に理由判明します)、後継機のOPPO Band 2を買って使い始めました。商品としては2023年1月発売で、既に取扱店も少なくなっていて今さらですが、感想などを残しておきます。
Oppoband2a
左が従来品、右が新しいのです。壁紙は「本好きの下剋上ふぁんぶっく5」から。

OPPO Band2への移行は実に簡単で、専用アプリOHealthで旧機種とのペアリングを解除し、新機種とペアリングするだけでした(新機種の方を立ち上げるのに電源を繋ぐのも同じ)。これで通知や心拍数・血中酸素レベルの測定設定などがあっさりと引き継がれます(SpO2値も同等)。一方、細かな違いも少々。これまでに気が付いているところでは:
①画面のピクセル数が約2.8倍になり、両方とも約300dpiで、面積も情報量も2.8倍になった。これによりアプリ起動への動線は短くなり、通知の文字が大きくなった(便利)。
②通知に[閉じる]ボタンが現れ、これで閉じるとスマホ側の通知も閉じてくれる(便利)。
③スマホを置き忘れたときなどの、Bluetooth切断通知ができるようになった(便利)。
④充電完了通知がスマホに来るようになった(便利)。
⑤アラームが、従来はアプリで設定しバンドに転送していたところ、本機はバンド自体で設定するようになってタイトルが付けられなくなった(不便&アラームが来なくて少し慌てた)。
⑥従来はクレードルに嵌めて充電していたところ、本機はマグネット付きのアタッチメントになった(不便):
Oppoband2b
このアタッチメントは、磁石の反発によって逆接続できないようになっています。それは良いのですが、剥き出しの端子が接続しなくても通電状態になっていて、金属板に貼り付くなどすると危なそう。使わないときは抜くか、カバーをするべきだと思いますが、取扱説明書にも記載ありません。

さて、
OPPO Band Styleの充電ができなくなった事象の原因は、使っていたUSB延長ケーブルの断線でした。充電用クレードルのケーブル長が12cmと短くて常設しているUSB電源アダプタに届かず、使っていた延長ケーブルが切れていました。このことに、新しく買ったOPPO Band 2を繋いで充電できないまで気付かなかった次第(いやはや)。こんどは40cmあって直接届くようになりました。

上記のように、全体としては正常進化していますし、特に重いとか大きすぎるとかということも無いので、乗り換えることにしました。従来機はこの機会に綺麗に掃除して片付けておきます。それにしても、3年半使っても電池がしっかり持っていたのは高評価です。新機種も長く使えますように。
この機会に、私のスマートバンド遍歴をまとめてみます。最初はSONYのSmartBand Talk SWR30で、2015年6月から2017年9月まで2年ちょっと使っていました。元々Xperiaの周辺機器としてソニエリのスウェーデンでデザインされたらしく、電子ペーパーの常時表示ディスプレイをはじめ見た目も機能も洗練されていて良かったです。電池もちが悪くなってきたところで、次のをプレゼントされて引退しました。
2代目もSONYで、初代のwenaであるWN-WB01S+WN-WC01W-Hでした。これは退職の餞別に頂いたもので、2017年9月から2021年4月まで3年半ぐらい使っていました。ヘッド(ムーブメント)がズッシリ重くて存在感のある時計に、バイブとLEDによる意外に多彩な通知とFeliCaの機能性は良かったのですが、Bluetooth(BLE)接続が不安定だったり、SUS316Lにも関わらず肝心のバンドが腐食したりと、なかなか尖っていて楽しめました。これも電池もちが悪くなり、最終的には壊れて引退しました。
3代目が従来のOPPO Band Styleで、2021年5月から2024年11月まで3年半ぐらい使っていました。これだけ使っていても電池もちは1日10%から一向に悪くなる気配がなく、まだまだ使えると思っていたのですが、先週末に30%→80%で充電停止してから充電できなくなってしまい、仕方なく次のを探しました(結果として、上記の通り濡れ衣だったのですが)。
そして今回のは4代目のOPPO Band 2です。OPPOのスマートバンドとしては3代目になるようです。XiaomiやFitbitも検討したのですがピンと来ず、現に不満も無いので後継機にした次第です。

画面サイズについてもメモしておきます。
・OPPO Band Styleは対角1.1インチで横126x縦294pixel、DPIはSQRT((126^2 + 294^2)/1.1^2)〜290dpi
・OPPO Band 2は対角1.57インチで横256x縦402pixel、DPIはSQRT((256^2 + 402^2)/1.57^2)〜303dpi
・情報量は(256x402)/(126x294)〜2.78倍

以上、何かの参考になれば幸いです。

パドラッパ from MacBook Air (2017)

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2024/11/07

フィリップスQC5580の電池交換

2013年にスキンヘッドにしてから11年になります。当時いろいろと手入れの仕方を調べて実践し、いちばんお手軽だったのがフィリップスのセルフヘアーカッターQC5580でした:
Qc5580p01
見た目ゴロンとしたシェーバーで、ヘッドがボディの横に付いており、使いやすい向きに回せるのが特徴です。上の写真では分かりやすいように、ふだん使わない角度にセットしています。
ちなみにフィリップスにはQC5570という兄弟機があって、こちらにはヘアシェービングヘッドが付いていませんでした。

5年ぐらい使った2018年に電池が持たなくなって買い換えたときには品名がQC5582に変わっていたのですが、マイナーチェンジで使い勝手などは全く変わっていませんでした。
それから6年経って、また電池が持たなくなったのですが、こんどは販売終了で後継機がありません。仕方がないのでダメモトで電池交換してみたら成功したので、メモを残しておく次第です。ただ、替え刃も販売終了しているので、刃がダメになったらお終いです。

ケースの開け方は、廃棄時の電池リサイクル方法として、取扱説明書に書いてありました(リンク先PDF): QC5580JP_A6_CS3
(「お客様による充電池の修理交換はできません。」は自己責任で無視して、)注目の図はP.22下にあります:
Qc5580p02

再利用可能なように開けるには、ギターピック数枚とトルクス#6ドライバーを使います(図のようなごついマイナスドライバーを使うとケースを止めている爪が折れ、ミニマイナスドライバーではトルクスねじの山が潰れます)。少々苦労しつつ開けてみると(写真を撮り忘れたのですが!)NiMH単4電池2本へ端子が直にカシメスポット溶接(参考)で取り付けられていて、普通には交換不能でした。
そこで電池の収まるスペース内で電池ケースを作ってエネループを収納しました。普通の電池ボックスのようなものを入れる余地は無かったので、プリント基板と銅箔テープを切り貼りして端子を作り、長いM3ネジを適当にカットして基板を挟む構造にしたところ、なんとか入りました:
Qc5580p03

Qc5580p04
ボディを開けるときに欠けたところをテープで補修しましたが(最初の写真の右下)、ちゃんと動くようになりました。ストックしている刃がもつ間は大事に使おうと思います。

以上、何かの参考になれば幸いです。もし試す場合は自己責任でお願いします(水回りで使うのでスキマは厳禁ですよ)。

パドラッパ from MacBook Air (2017)

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